2010年9月8日水曜日

LaTeX2e 入門教室-2 文書作成の概要-2.1.1 タイプセット

2 文書作成の概要

インストールが終了した所で,実際の文書作成を通じて,LaTeX2e における作業の概要を見てみよう。


2.1.1 タイプセット

まずは,適当なフォルダを作成して,そこにテスト用のファイルを作成してみよう。ここでは,「C:¥work」というフォルダを作成し,そこに「test.tex」というファイルをメモ帳で作成します。

「test.tex」には,以下の内容を入力します。
\documentclass{jarticle}
\begin{document}
ただいまテスト中。
\LaTeX
\end{document}
記号「\」は,Windowsでは記号「¥」,また逆に記号「¥」はUnixやMacでは,記号「\」になります。

こうして完成した「test.tex」というファイルがLaTex2eのテキストベースのファイルになります。

次に,これを「LaTex2e」のプログラム「platex」によって変換(コンパイル)します。その手順は,以下のとおりです。
  1. コマンドプロンプトを起動します。
  2. カレントディレクトリを「C:¥work」に変更します。

    cd c:¥work
  3. コマンドラインから以下のコマンドを入力します。

    C:¥work>platex test.tex
  4. コンパイルが開始され,エラーがなければ,最後に以下のようなメッセージが表示されます。

    Output written on test.dvi (.........)
    Transcript written on test.log
以上で,変換が終了しました。この結果,「C:¥work」フォルダには,以下のようなファイルが作成されます。
  • test.tex
  • test.aux
  • test.dvi
  • test.log
これらのファイルのうち拡張子「aux」と「log」のファイルは作業用ファイルとなり,拡張子「dvi」が変換結果のファイルになります。

このように拡張子「tex」のファイルを「dvi」のファイルに変換する作業を「タイプセット」と呼びます。

次に,この「dvi形式」のファイルを「pdf形式」に変換します。その手順は以下のとおりです。
  1. コマンドラインから以下のコマンドを入力します。

    C:¥work>dvipdfmx test.dvi
  2. 変換が開始されます。
正常に変換できたならば,最後に「PDF形式」のファイルを表示してみましょう。その手順は以下のとおりです。
  1. コマンドラインから以下のコマンドを入力します。

    C:¥work>start test.pdf
  2. PDF形式のファイルが表示されます。
さて,これまではすべてコマンドプロンプトから作業しましたが,「TeXworks」を使えば,この一連の作業を簡単に行うことができます。すなわち,「TeXworks」でテキストベースのLaTeX2eのファイル(以下,texファイルと呼びます。)を作成し,画面左上の矢印アイコンをクリックすることにより,dvi形式のファイルへの変換,さらにdvi形式からpdf形式への変換を自動的に行うことができます。

一般的には,「TeXworks」のような統合環境を使って文書作成を行うことが多く,これらのソフトウェアでは,texファイルからpdfファイルの作成までを「タイプセット」と呼びます。

以上のことをまとめると,文書作成の流れは以下のようになります。
  texファイルの作成
    ↓
  タイプセット
    ↓
  PDFファイルの作成

今回は,LaTeX2eでの文書作成の流れについて説明しましたが,次回は,少しtexファイルの中身について説明したいと思います。

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