2010年11月30日火曜日

ホームページを作ろう - 1.15 箇条書き(リスト)の作り方

1.15 箇条書き(リスト)の作り方

XHTML(HTML)では,3種類の箇条書き(リスト)構造を表現する要素が用意されています。

  • 無順序リスト
  • 順序リスト
  • 定義リスト

無順序リストと順序リストは共通の文書構造を持ち,定義リストは若干異なる文書構造を持っています。また,3種類のリスト構造はいずれもブロックレベル要素に分類される要素です。


以下に関係する部分のDTD(一部)を抜粋しておきます。
<!ENTITY % lists "ul | ol | dl">

<!ENTITY % block
"p | %heading; | div
| %lists; | %blocktext; | fieldset | table">

1.15.1 無順序リスト
無順序リストは,順序関係のない,いわゆる通常の箇条書きの構造を表す要素です以下に無順序リストのDTDを示します。
<!ELEMENT ul (li)+>

<!ELEMENT li %Flow;>
無順序リストはul要素で表され,その内容モデルは,1つ以上のli要素から構成されます。つまり,ul要素の子要素としては,li要素以外の要素は記述できないので注意してください。

次に無順序リストを構成するリスト項目は,li要素で表されます。そのli要素の内容モデルは,すべてのブロックレベル要素とインライン要素を記述することができます。
<!--=================== Text Elements ==========================-->
<!ENTITY % special.pre
"br | span | bdo | map">

<!ENTITY % special
"%special.pre; | object | img ">

<!ENTITY % fontstyle "tt | i | b | big | small ">

<!ENTITY % phrase "em | b | dfn | code | q |
samp | kbd | var | cite | abbr |
acronym | sub | sup ">

<!ENTITY % inline.forms "input | select | textarea |
label | button">

<!-- these can occur at block or inline level -->
<!ENTITY % misc.inline "ins | del | script">

<!-- these can only occur at block level -->

<!ENTITY % misc "noscript | %misc.inline;">

<!ENTITY % inline "a | %special; | %fontstyle; | %phrase;
| %inline.forms;">

<!-- %Inline; covers inline or "text-level" elements -->
<!ENTITY % Inline "(#PCDATA | %inline; | %misc.inline;)*">

<!--================== Block level elements ====================-->
<!ENTITY % heading "h1|h2|h3|h4|h5|h6">

<!ENTITY % lists "ul | ol | dl">
<!ENTITY % blocktext "pre | hr | blockquote | address">

<!ENTITY % block
"p | %heading; | div | %lists; | %blocktext; | fieldset
| table">

<!ENTITY % Block "(%block; | form | %misc;)*">

<!-- %Flow; mixes block and inline
and is used for list items etc. -->

<!ENTITY % Flow
"(#PCDATA | %block; | form | %inline; | %misc;)*">
では,いくつかのサンプルを見てみましょう。
<ul>
<li>リスト項目1</li>
<li>リスト項目2</li>
<li>リスト項目3</li>
</ul>
これは次のように表示されます。(実際の表示はあなたが使用しているブラウザの表示になります。)
  • リスト項目1
  • リスト項目2
  • リスト項目3

次の例は,リストの入れ子(リストの中のリスト)のサンプルです。
<ul>
<li>
リスト項目1
<ul>
<li>リスト項目1−1</li>
<li>リスト項目1−2</li>
</ul>
</li>
<li>リスト項目2</li>

<li>リスト項目3</li>
</ul>
これは次のように表示されます。(実際の表示はあなたが使用しているブラウザの表示になります。)
  • リスト項目1
    • リスト項目1−1
    • リスト項目1−2
  • リスト項目2
  • リスト項目3

1.15.2 順序リスト
順序リストは,順序関係のある,いわゆる番号付けされた箇条書きの構造を表す要素です。以下に順序リストのDTDを示します。
<!ELEMENT ol (li)+>

<!ELEMENT li %Flow;>
順序リストはol要素で表され,その内容モデルは,1つ以上のli要素から構成されます。つまり,ol要素の子要素としては,li要素以外の要素は記述できないことになります。

次に順序リストを構成するリスト項目は,li要素で表されます。これはul要素で使用したものとまったく同じものです。

では,いくつかのサンプルを見てみよう。
<ol>
<li>リスト項目1</li>
<li>リスト項目2</li>
<li>リスト項目3</li>
</ol>
これは次のように表示されます。(実際の表示はあなたが使用しているブラウザの表示になります。)
  1. リスト項目1
  2. リスト項目2
  3. リスト項目3
次の例は,リストの入れ子(リストの中のリスト)のサンプルです。
<ol>
<li>
リスト項目1
<ol>
<li>リスト項目1−1</li>
<li>リスト項目1−2</li>
</ol>
</li>
<li>リスト項目2</li>
<li>リスト項目3</li>
</ol>
これは次のように表示されます。(実際の表示はあなたが使用しているブラウザの表示になります。)
  1. リスト項目1
    1. リスト項目1−1
    2. リスト項目1−2
  2. リスト項目2
  3. リスト項目3
また,各リスト要素はお互いを入れ子にすることも可能です。
<ol>
<li>
リスト項目1
<ul>
<li>リスト項目1−1</li>
<li>リスト項目1−2</li>
</ul>
</li>
<li>リスト項目2</li>
<li>リスト項目3</li>
</ol>
これは次のように表示されます。(実際の表示はあなたが使用しているブラウザの表示になります。)
  1. リスト項目1
    • リスト項目1−1
    • リスト項目1−2
  2. リスト項目2
  3. リスト項目3

1.15.3 定義リスト
定義リストは,用語とその説明を表すなどの箇条書きの構造を表す要素です。以下に定義リストのDTDを示します。
<!ELEMENT dl (dt|dd)+>

<!ELEMENT dt %Inline;>

<!ELEMENT dd %Flow;>
定義リストはdl要素で表され,その内容モデルは,1つ以上のdt要素dd要素から構成されます。

通常,dt要素とdd要素が対で使用されるが,複数のdt要素に対して1つのdd要素,あるいはその逆であっても文法的には正しい。また,その出現順序についても規定はないが,一般的にdt要素の次にdd要素を書くことが多い。

定義リストを構成する項目は,dt要素とdd要素ですが,dt要素が用語に相当し,その内容モデルは,インライン要素のみです。一方,dd要素が説明に相当する部分で,こちらの内容モデルはインライン要素,ブロックレベル要素いずれも記述することができます。

では,代表的なサンプルを見てみましょう。
<dl>
<dt>用語1</dt>
<dd>用語1の説明</dd>
<dt>用語2</dt>
<dd>用語2の説明</dd>
<dt>用語3</dt>
<dd>用語3の説明</dd>
</dl>
これは次のように表示されます。(実際の表示はあなたが使用しているブラウザの表示になります。)
用語1
用語1の説明
用語2
用語2の説明
用語3
用語3の説明

2010年11月29日月曜日

LaTeX2e 入門教室 - 2.5.6 特殊な文字

2.5.6 特殊な文字
ここでは,そのままタイプしたのでは表示できない特殊文字について説明します。

私たちは,すでに LaTeX2e を表示するために,「¥LaTeXeコマンド」を使用しましたが,それ以外にも特殊な文字を表示するためのコマンドが用意されています。以下に代表的なコマンドを示しておきます。>

コマンド出力結果
¥TeX
¥LaTeX
¥LaTeXe
¥copyright
¥textregistered
¥texttrademark

また,この他にも「#$%&_{}¥^-<>|」の各文字は,そのままタイプしても期待通りの文字は出力されないか,あるいはエラーになってしまいます。

これらの文字のうち,「#$%&_{}」については,先頭に「¥」記号を付けることによって表示することができます。

入力出力
¥##
¥$$
¥%%
¥&&
¥__
¥{{
¥}}

しかし,上記以外の文字「¥^-<>|」には,この方法は使用できません。最も単純な方法は「¥verbコマンド」を使うことです。¥verbコマンドは,その引数にタイプした文字をそのまま出力するコマンドです。書式は以下のとおりです。
¥verb|引数|
このとき引数の両側の記号は「|」を使っていますが,これは両側が一致していれば,「"」や「$」なども使用できます。
¥verb|¥^-<>| ← 両側が|なので,引数に|は記述できません。

¥verb$¥^-<>|$

2010年11月26日金曜日

古典を読もう - 論語(為政第二)

古典を読もう - 論語(為政第二)

論語(2)は、「為政第二」です。



爲政第二

原 文

子曰。爲政以德。譬如北辰居其所而衆星共之。

子曰。詩三百。一言以蔽之。曰思無邪。

子曰。道之以政。齊之以刑。民免而無恥。道之以德。齊之以禮。有恥且格。

子曰。吾十有五而志于學。三十而立。四十而不惑。五十而知天命。六十而耳順。七十而從心所欲不踰矩。

孟懿子問孝。子曰。無違。樊遲御。子告之曰。孟孫問孝於我。我對曰。無違。樊遲曰。何謂也。子曰。生事之以禮。死葬之以禮。祭之以禮。

孟武伯問孝。子曰。父母唯其疾之憂。

子游問孝。子曰。今之孝者。是謂能養。至於犬馬。皆能有養。不敬何以別乎。

子夏問孝。子曰。色難。有事弟子服其勞。有酒食。先生饌。曾是以爲孝乎。

子曰。吾與囘言終日。不違如愚。退而省其私。亦足以發。囘也不愚。

子曰。視其所以。觀其所由。察其所安。人焉廋哉。人焉廋哉。

子曰。温故而知新。可以爲師矣。

子曰。君子不器。

子貢問君子。子曰。先行其言。而後從之。

子曰。君子周而不比。小人比而不周。

子曰。學而不思則罔。思而不學則殆。

子曰。攻乎異端。斯害也已。

子曰。由。誨女知之乎。知之爲知之。不知爲不知。是知也。

子張學干祿。子曰。多聞闕疑。愼言其餘則寡尤。多見闕殆。愼行其餘則寡悔。言寡尤。行寡悔。祿在其中矣。

哀公問曰。何爲則民服。孔子對曰。擧直錯諸枉。則民服。擧枉錯諸直。則民不服。

季康子問。使民敬忠以勸。如之何。子曰。臨之以莊則敬。孝慈則忠。擧善而教不能則勸。

或謂孔子曰。子奚不爲政。子曰。書云孝乎。惟孝友于兄弟。施於有政。是亦爲政。奚其爲爲政。

子曰。人而無信。不知其可也。大車無輗。小車無軏。其何以行之哉。

子張問。十世可知也。子曰。殷因於夏禮。所損益可知也。周因於殷禮。所損益可知也。其或繼周者。雖百世可知也。

子曰。非其鬼而祭之諂也。見義不爲。無勇也。

論語巻之一 終

読 み

為政第二(いせい)

(し)(いわ)く。政(まつりごと)を為(な)すに徳(とく)を以(もつ)てすれば、譬(たと)えば北辰(ほくしん)の其(そ)の所(ところ)に居(い)て衆星(しゅうせい)の之(これ)に共(むか)うが如(ごと)し。

(し)(いわ)く。詩三百(しさんびゃく)、一言(いちげん)(もつ)て之(これ)を蔽(おお)えば、曰(いわ)く、思(おも)い邪(よこしま)(な)し。

(し)(いわ)く。之(これ)を道(みちび)くに政(せい)を以(もつ)てし、之(これ)を斉(ひと)しくするに刑(けい)を以(もつ)てすれば、民(たみ)(まぬが)れて恥(はじ)(な)し。之(これ)を道(みちび)くに徳(とく)を以(もつ)てし、之(これ)を斉(ひと)しくするに礼(れい)を以(もつ)てすれば、恥(はじ)(か)つ格(いた)る有(あ)り。

(し)(いわ)く。吾(われ)十有五(じゅうゆうご)にして学(がく)に志(こころざ)し、三十(さんじゅう)にして立(た)つ。四十(しじゅう)にして惑(まど)わず。五十(ごじゅう)にして天命(てんめい)を知(し)る。六十(ろくじゅう)にして耳(みみ)(したが)う。七十(しちじゅう)にして心(こころ)の欲(ほつ)する所(ところ)に従(したが)うとも矩(のり)を踰(こ)えず。

孟懿子(もういし)(こう)を問(と)う。子(し)(いわ)く。違(たが)う無(な)し。樊遅(はんち)(ぎょ)たり。子(し)(これ)に告(つ)げて曰(いわ)く。孟孫(もうそん)(こう)を我(われ)に問(と)う。我(われ)(こた)えて曰(いわ)く。違(たが)う無(な)し。樊遅(はんち)(いわ)く。何(なん)の謂(いい)ぞや。子(し)(いわ)く。生(せい)には之(これ)に事(つか)うるに礼(れい)を以(もつ)てし、死(し)も之(これ)を葬(ほうむ)るに礼(れい)を以(もつ)てし、之(これ)を祭(まつ)るに礼(れい)を以(もつ)てす。

孟武伯(もうぶはく)(こう)を問(と)う。子(し)(いわ)く。父母(ふぼ)には唯(た)だ其(そ)の疾(やまい)を之(こ)れ憂(うれ)う。

子游(しゆう)(こう)を問(と)う。子(し)(いわ)く。今(いま)の孝(こう)は、是(こ)れ能(よ)く養(やしな)うを謂(い)う。犬馬(けんば)に至(いた)るまで皆(みな)(よ)く養(やしな)うこと有(あ)り。敬(けい)せずんば何(なに)を以(もつ)て別(わか)たんや。

子夏(しか)(こう)を問(と)う。子(し)(いわ)く。色(いろ)(かた)し。事(こと)(あ)らば弟子(ていし)(そ)の労(ろう)に服(ふく)し、酒食(しゅし)(あ)らば先生(せんせい)(せん)す。曾(かつ)て是(これ)を以(もつ)て孝(こう)と為(な)さんや。

(し)(いわ)く。吾(われ)(かい)と言(い)うこと終日(しゅうじつ)なるも、違(たが)わざること愚(おろ)かなるが如(ごと)し。退(しりぞ)きて其(そ)の私(わたし)を省(かえり)みれば、亦(また)(もつ)て発(はつ)するに足(た)れり。回(かい)や愚(ぐ)ならず。

(し)(いわ)く。其(そ)の以(もつ)てする所(ところ)を視(み)、其(そ)の由(よ)る所(ところ)を観(み)、其(そ)の安(やす)んずる所(ところ)を察(さつ)すれば、人(ひと)(いづく)んぞ廋(かく)さんや。人(ひと)(いづく)んぞ廋(かく)さんや。

(し)(いわ)く。故(ふる)きを温(たず)ねて新(あたら)しきを知(し)る。以(もつ)て師(し)と為(な)す可(べ)し。

(し)(いわ)く。君子(くんし)は器(き)ならず。

子貢(しこう)君子(くんし)を問(と)う。子(し)(いわ)く。先(ま)づ其(そ)の言(げん)を行(おこな)いて而(しか)る後(のち)(これ)に従(したが)う。

(し)(いわ)く。君子(くんし)は周(あまね)くして比(かたよ)らず。小人(しょうじん)は比(かたよ)りて周(あまね)からず。

(し)(いわ)く。学(まな)びて思(おも)わざれば則(すなわ)ち罔(くら)し。思(おも)いて学(まな)ばざれば則(すなわ)ち殆(あや)うし。

(し)(いわ)く。異端(いたん)を攻(おさ)むるは、斯(こ)れ害(がい)なるのみ。

(し)(いわ)く。由(ゆう)、女(なんじ)に之(これ)を知(し)るを誨(おし)えんか。之(これ)を知(し)るを之(これ)を知(し)ると為(な)し、知(し)らざるを知(し)らざると為(な)す。是(こ)れ知(し)るなり。

子張(しちょう)(ろく)を干(もと)めんことを学(まな)ぶ。子(し)(いわ)く。多(おお)く聞(き)きて疑(うたが)わしきを闕(か)き、慎(つつし)みて其(そ)の余(よ)を言(い)えば、則(すなわ)ち尤(とが)め寡(すくな)し。多(おお)く見(み)て殆(あや)うきを闕(か)き、慎(つつし)みて其(そ)の余(よ)を行(おこな)えば、則(すなわ)ち悔(くい)(すくな)し。言(げん)(とが)め寡(すくな)く、行(おこな)い悔(くい)(すくな)ければ、禄(ろく)(そ)の中(うち)に在(あ)り。

哀公(あいこう)(と)うて曰(いわ)く。何(なに)を為(な)さば則(すなわ)ち民(たみ)(ふく)せん。孔子(こうし)(こた)えて曰(いわ)く。直(なお)きを挙(あ)げて諸(こ)れを枉(まが)れるに錯(お)かば、則(すなわ)ち民(たみ)(ふく)せん。枉(まが)れるを挙(あ)げて諸(こ)れを直(なお)きを錯(お)けば、則(すなわ)ち民(たみ)(ふく)せず。

季康子(きこうし)(と)う。民(たみ)をして敬忠(けいちゅう)にして以(もつ)て勧(すす)ましめば、之(これ)を如何(いか)にすべきか。子(し)(いわ)く。之(これ)に臨(のぞ)むに荘(そう)を以(もつ)てすれば則(すなわ)ち敬(けい)。孝慈(こうじ)なれば則(すなわ)ち忠(ちゅう)。善(ぜん)を挙(あ)げて不能(ふのう)を教(おし)うなれば則(すなわ)ち勧(すす)まん。

(ある)ひと孔子(こうし)に謂(い)いて曰(いわ)く。子(し)(なん)ぞ政(まつりごと)を為(な)さざる。子(し)(いわ)く。書(しょ)に云(い)う孝(こう)なるか。惟(こ)れ孝(こう)に兄弟(けいてい)に友(ゆう)に、政(まつりごと)(あ)るに施(ほどこ)す。是(こ)れも亦(また)(まつりごと)を為(な)すなり。奚(なん)ぞ其(そ)れ政(まつりごと)を為(な)すを為(な)さん。

(し)(いわ)く。人(ひと)にして信(しん)(な)くば、其(そ)の可(か)なることを知(し)らざるなり。大車(たいしゃ)(げい)(な)く、小車(しょうしゃ)(げつ)(な)く、其(そ)れ何(なに)を以(もつ)て之(これ)を行(ys)らんや。

子張(しちょう)(と)う。十世(じつせい)(し)る可(べ)きか。子(し)(いわ)く。殷(いん)は夏(か)の礼(れい)に因(よ)り、損益(そんえき)する所(ところ)(し)る可(べ)きなり。周(しゅう)は殷(いん)の礼(れい)に因(よ)り、損益(そんえき)する所(ところ)(し)る可(べ)きなり。其(そ)れ或(あるい)は周(しゅう)に継(つ)ぐ者(もの)は、百世(ひゃくせい)と雖(いえ)ども知(し)(べ)可きなり。

(し)(いわ)く。其(そ)の鬼(き)に非(あら)ずして之(これ)を祭(まつ)るは諂(へつら)うなり。義(ぎ)を見(み)て為(な)さざるは勇(ゆう)(な)きなり。

論語(ろんご)、巻(かん)の一(いち)(お)わり。

2010年11月25日木曜日

GIMP を使ってフォトレタッチ - 4.レイヤーについて

GIMP を使ってフォトレタッチ - 4.レイヤーについて

ここでは,「レイヤー」と呼ばれるものの考え方について説明します。(Sample Download → XCFファイル

4.1 レイヤーとは

まずは,下の編集中の画像を見てください。


見た目としては,白地の紙に緑色,黄色,赤色の円がそれぞれ描画されているように見えます。当然,そのように描画することも可能ですが,ここでは少し異なった描画方法を使っています。

それは,「白地の紙」と「透明な紙の上に緑色の円」,「透明な紙の上に黄色の円」,「透明な紙の上に赤色の円」の4枚の画像を重ねて1枚の画像として見せています。(なお,GIMP では,透明を「灰色の市松模様」で表現しています。)


このような独立した1枚1枚の描画単位を「レイヤー」と呼びます。

ホームページを作ろう - 1.14 DTDの読み方(要素編の復習)

1.14 DTDの読み方(要素編の復習)

これまで出て来た要素のDTD(要素部分のみ)を以下に示します。最初は難しいとは思いますが,繰り返し読んでみてください。

<!--=================== Text Elements ==========================-->

<!ENTITY % special.pre "br | span | bdo | map">
<!ENTITY % special "%special.pre; | object | img ">

<!ENTITY % fontstyle "tt | i | b | big | small ">
<!ENTITY % phrase "em | strong | dfn | code | q |
samp | kbd | var | cite | abbr | acronym |
sub | sup ">
<!ENTITY % inline "a | %special; | %fontstyle; | %phrase; |
%inline.forms;">
<!ENTITY % Inline "(#PCDATA | %inline; | %misc.inline;)*">

<!--================== Block level elements ====================-->
<!ENTITY % heading "h1|h2|h3|h4|h5|h6">

<!ENTITY % block
"p | %heading; | div | %lists; | %blocktext; |
fieldset | table">
<!ENTITY % Block "(%block; | form | %misc;)*">

<!--================ Document Structure ========================-->
<!ELEMENT html (head, body)>

<!--================ Document Head =============================-->
<!ENTITY % head.misc "(script | style | meta | link | object)*">

<!ELEMENT head (%head.misc;,
((title, %head.misc;, (base, %head.misc;)?) |
(base, %head.misc;, (title, %head.misc;))))>
<!ELEMENT title (#PCDATA)>
<!ELEMENT meta EMPTY>

<!--=================== Document Body ==========================-->
<!ELEMENT body %Block;>

<!--=================== Paragraphs =============================-->
<!ELEMENT p %Inline;>

<!--=================== Headings ===============================-->
<!ELEMENT h1 %Inline;>
<!ELEMENT h2 %Inline;>
<!ELEMENT h3 %Inline;>
<!ELEMENT h4 %Inline;>
<!ELEMENT h5 %Inline;>
<!ELEMENT h6 %Inline;>

<!--===================== Inline Elements ======================-->

<!ELEMENT br EMPTY> <!-- forced line break -->
<!ELEMENT em %Inline;> <!-- emphasis -->
<!ELEMENT strong %Inline;> <!-- strong emphasis -->
<!ELEMENT dfn %Inline;> <!-- definitional -->
<!ELEMENT code %Inline;> <!-- program code -->

<!ELEMENT samp %Inline;> <!-- sample -->
<!ELEMENT kbd %Inline;> <!-- something user would type -->
<!ELEMENT var %Inline;> <!-- variable -->
<!ELEMENT cite %Inline;> <!-- citation -->
<!ELEMENT abbr %Inline;> <!-- abbreviation -->

<!ELEMENT acronym %Inline;> <!-- acronym -->
<!ELEMENT q %Inline;> <!-- inlined quote -->
<!ELEMENT sub %Inline;> <!-- subscript -->
<!ELEMENT sup %Inline;> <!-- superscript -->

2010年11月24日水曜日

DD3種 - 1.2.2 静電容量

1.2.2 静電容量

静電容量に関する基本的な公式です。


コンデンサに蓄えられる電荷量を Q クーロン [C]、コンデンサの両極板間の電位差を V ボルト [V]、静電容量を C ファラド [F] とすると、次式が成り立つ。

Q = CV

また、平行平板の面積を S[m2]、間隔を d[m]、平板間の誘電体誘電率を ε とすると、平行平板の静電容量 C[F] は、次式で表すことができる。


つまり、静電容量を大きくするためには、次の3つの方法がある。
  1. 平板の間隔を狭くする(間隔 d に反比例)
  2. 平板の面積を大きくする(面積 s に比例)
  3. 平板間に誘電率の大きな誘電体を挿入する(誘電率 ε に比例)

2010年11月22日月曜日

LaTeX2e 入門教室 - 2.5.5 文字のサイズについて

2.5.5 文字のサイズについて

タイトルや章見出しなどは自動的に文字の大きさが変更されますが,文章中で文字の大きさを変更したい場合には,以下のコマンドを使用して10段階で大きさを変更する事ができます。

コマンド10pt を基準にしたときの大きさ
¥tiny5pt
¥scriptsize7pt
¥footnotesize8pt
¥small9pt
¥normalsize10pt(標準)
¥large12pt
¥Large14.4pt
¥LARGE17.28pt
¥huge20.74pt
¥Huge24.88pt

それぞれのコマンドは以下の書式で記述します。このサンプルでは,標準を10ptとしています。
¥documentclass[10pt]{jsarticle}
...
...
¥noindent
{¥tiny 文字の大きさ Abcde}¥¥
{¥scriptsize 文字の大きさ Abcde}¥¥
{¥footnotesize 文字の大きさ Abcde}¥¥
{¥small 文字の大きさ Abcde}¥¥
{¥normalsize 文字の大きさ Abcde}¥¥
{¥large 文字の大きさ Abcde}¥¥
{¥Large 文字の大きさ Abcde}¥¥
{¥Large 文字の大きさ Abcde}¥¥
{¥huge 文字の大きさ Abcde}¥¥
{¥Huge 文字の大きさ Abcde}¥¥
¥noindent は,段落行頭の字下げを行わないコマンドです。
次の例では,documentclassにおいて標準文字サイズを12ptとした場合です。
¥documentclass[12pt]{jsarticle}
...
...
¥noindent
{¥tiny 文字の大きさ Abcde}¥¥
{¥scriptsize 文字の大きさ Abcde}¥¥
{¥footnotesize 文字の大きさ Abcde}¥¥
{¥small 文字の大きさ Abcde}¥¥
{¥normalsize 文字の大きさ Abcde}¥¥
{¥large 文字の大きさ Abcde}¥¥
{¥Large 文字の大きさ Abcde}¥¥
{¥Large 文字の大きさ Abcde}¥¥
{¥huge 文字の大きさ Abcde}¥¥
{¥Huge 文字の大きさ Abcde}¥¥

2010年11月19日金曜日

論語(学而第一)

古典を読もう - 論語(学而第一)

古典を読もう - いよいよ論語に着手します。



論語について

『論語』とは、中国古典の書名で、四書(大學、中庸、論語、孟子)のなかのひとつです。「西の聖書、東の論語」、「宇宙第一の書」など多くの呼び名が付けられる程のベストセラーです。最近では、ビジネスの指南書としても多く取り上げられているようです。

『論語』という書物は、孔子と彼の弟子たちの言行を孔子の死後、弟子達が記録した書物です。論語自体は十巻二十編からなる書物です。

緒 言
  • 本Webページでは、国立国会図書館 近代デジタルライブラリーに収蔵されている『四書集註 袖珍』(東京:富田文陽堂,明43.3)を底本としました。
  • 底本の誤字、脱字、読みなど誤りと思われる部分は他の資料を参考に改めました。
  • ここでは、原文と訓読のみを掲載することとして、字義については解説していません。詳しい解説については、多くの書籍が市販(参考までに二三種類の本を紹介しておきます。)されていますので、そちらの方をお読みください。
    • 『論語新釈』 宇野哲人 著(講談社学術文庫)
    • 『論語』 金谷治 翻訳(岩波文庫)
    • 『論語(上・下)—中国古典選』 吉川幸次郎 著(朝日選書)
  • 漢字については、訓読では、學=学、處=処など、通行の字体を用いた。ただし、原文の部分は、なるべく底本のままとしました。
  • 特殊な漢字でUTF コードを持っているが、グリフを持たない文字、あるいはコード自体持っていない文字については、似た漢字で代用あるいは記号「?」で表しました。
  • 底本では送り仮名にカタカナを用いていますが、すべて平仮名に改めました。また、なるべく通行の送り仮名にしたつもりですが、誤りがあるかもしれません。

學而第一

原 文

子曰。學而時習之。不亦說乎。有朋自遠方來。不亦樂乎。人不知而不慍。不亦君子乎。

有子曰。其爲人也孝弟。而好犯上者。鮮矣。不好犯上。而好作亂者。未之有也。君子努本。本立而道生。孝弟也者。其爲仁之本與。

子曰。巧言令色鮮矣仁。

曽子曰。吾日三省吾身。爲人謀而不忠乎。與朋友交而不信乎。傳不習乎。

子曰。道千乗之國。敬事而信。節用而愛人。使民以時。

子曰。弟子入則孝。出則弟。謹而信。汎愛衆而親仁。行有餘力。則以學文。

子夏曰。賢賢易色。事父母能竭其力。事君能致其身。與朋友交言而有信。雖曰未學。吾必謂之學矣。

子曰。君子不重則不威。學則不固。主忠信。無友不如己者。過則勿憚改。

曽子曰。愼終追遠。民德歸厚矣。

子禽問於子貢曰。夫子至於是邦也。必聞其政。求之與。抑與之與。子貢曰。夫子溫良恭儉讓以得之。夫子之求之也。其諸異乎人之求之與。

子曰。父在觀其志。父没觀其行。三年無改於父之道。可謂孝矣。

有子曰。禮之用。和爲貴。先王之道。斯爲美。小大由之。有所不行。知和而和。不以禮節之。亦不可行也。

有子曰。信近於義。言可復也。恭近於禮。遠恥辱也。因不失其親。亦可宗也。

子曰。君子食無求飽。居無求安。敏於事而愼於言。就有道而正焉。可謂好學也已。

子貢曰。貧而無諂。富而無驕。何如。子曰。可也。未若貧而樂。富而好禮者也。子貢曰。詩云。如切如磋。如琢如磨。其斯之謂與。子曰。賜也。始可與言詩已矣。告諸往而知來者。

子曰。不患人之不己知。患不知知人也。

読 み

学而第一(がくじ)

(し)(いわ)く、学(まな)びて時(とき)に之(これ)を習(なら)う。また説(よろこ)ばしからずや。朋(とも)(あ)り遠方(えんぽう)より来(きた)る。また楽(たの)しからずや。人(ひと)(し)らず而(しか)して慍(いか)らず。また君子(くんし)ならずや。

有子(ゆうし)(いわ)く、その人(ひと)と為(な)りや孝弟(こうてい)にして上(かみ)を犯(おか)すことを好(この)む者(もの)は鮮(すくな)し。上(かみ)を犯(おか)すことを好(この)まずして乱(らん)を作(な)すことを好(この)む者(もの)、未(いま)だこれ有(あ)らざるなり。君子(くんし)、本(もと)を努(つと)む。本(もと)(た)ちて道(みち)(しょう)ず。孝弟(こうてい)なる者(もの)は、それ仁(じん)を為(な)すの本(もと)か。

(し)(いわ)く、巧言令色(こうげんれいしょく)(すくな)し仁(じん)

曽子(そうし)(いわ)く、吾(われ)(ひ)に三(みつ)つ吾(わ)が身(み)を省(かえり)みる。人(ひと)の為(ため)に謀(はか)りて忠(ちゅう)ならざるか。朋友(ほうゆう)と交(まじ)わりて信(しん)ならざるか。伝(つた)えられて習(なら)わざるか。

(し)(いわ)く、千乗(せんじょう)の国(くに)を道(おさ)むるに、事(こと)を敬(けい)して信(しん)。用(よう)を節(せつ)して人(ひと)を愛(あい)し、民(たみ)を使(つか)うに時(とき)を以(もつ)てす。

(し)(いわ)く、弟子(ていし)(い)りては則(すなわ)ち孝(こう)に。出(い)でては則(すなわ)ち弟(てい)に。謹(つつし)んで信(しん)あり。汎(ひろ)く衆(しゅう)を愛(あい)して仁(じん)に親(ちか)づき、行(おこな)って余力(よりょく)(あ)れば、則(すなわ)ち以(もつ)て文(ぶん)を学(まな)ぶ。

子夏(しか)(いわ)く、賢(けん)を賢(けん)として色(いろ)に易(か)え、父母(ふぼ)に事(つか)えて能(よ)く其(そ)の力(ちから)を竭(つく)し、君(きみ)に事(つか)えて能(よ)く其(そ)の身(み)を致(いた)し、朋友(ほうゆう)と交(まじ)わるに言(い)いて信(しん)(あ)らば、未(いま)だ学(まな)ばずと曰(い)うと雖(いえど)も、吾(われ)は必(かなら)ず之(これ)を学(まな)びたりと謂(い)わん。

(し)(いわ)く、君子(くんし)(おも)からざれば則(すなわ)ち威(い)あらず。学(まな)べば則(すなわ)ち固(こ)ならず。忠信(ちゅうしん)を主(しゅ)とし、己(おのれ)に如(し)かざる者(もの)を友(とも)とする無(なか)れ。過(あやま)ちては則(すなわ)ち改(あらた)むるに憚(はばか)ること勿(なか)れ。

曽子(そうし)(いわ)く、終(お)わりを慎(つつし)み遠(とお)きを追(お)えば、民(たみ)の徳(とく)(あつ)きに帰(き)す。

子禽(しきん)子貢(しこう)に問(と)うて曰(いわ)く、夫子(ふうし)(こ)の邦(くに)に至(いた)るや、必(かなら)ず其(そ)の政(まつりごと)を聞(き)く。之(これ)を求(もと)むるか。抑(そもそも)(これ)を与(あた)うるか。子貢(しこう)(いわ)く、夫子(ふうし)は温良恭倹譲(おんりょうきょうけんじょう)(もつ)て之(これ)を得(え)らる。夫子(ふうし)の之(これ)を求(もと)むるや、其(そ)れ諸(こ)れ人(ひと)の之(これ)を求(もと)むるに異(こと)なるか。

(し)(いわ)く、父(ちち)(いま)せば其(そ)の志(こころざし)を観(み)、父(ちち)(ぼつ)せば其(そ)の行(おこな)いを観(み)る。三年(さんねん)(ちち)の道(みち)を改(あらた)むる無(な)し。孝(こう)と謂(い)う可(べ)し。

有子(ゆうし)(いわ)く、礼(れい)の用(よう)は、和(わ)して貴(たつと)しと為(な)す。先王(せんおう)の道(みち)、斯(これ)を美(び)と為(な)す。小大(しょうだい)(これ)に由(よ)る。行(おこな)われざる所(ところ)(あ)ることは、和(わ)を知(し)って和(わ)すとも、礼(れい)を以(もつ)て之(これ)を節(せつ)せざれば、亦(また)(おこな)う可(べ)からざるなり。

有子(ゆうし)(いわ)く、信(しん)(ぎ)に近(ちか)づけば、言(げん)(ふ)む可(べ)きなり。恭(きょう)(れい)に近(ちか)づけば、恥辱(ちじょく)に遠(とお)ざかるなり。因(よ)ること其(そ)の親(しん)を失(うしな)わざれば、亦(また)(そう)とす可(べ)きなり。

(し)(いわ)く、君子(くんし)(しょく)(あ)くことを求(もと)むる無(な)く、居(きょ)(やす)からんことを求(もと)むる無(な)く、事(こと)に敏(びん)にして言(げん)を慎(つつし)み、有道(ゆうどう)に就(つ)いて正(ただ)すを学(がく)を好(この)むと謂(い)う可(べ)きのみ。

子貢(しこう)(いわ)く、貧(まず)しくして諂(へつら)うこと無(な)く。富(と)みて驕(おご)ること無(な)きは、何如(いか)ん。子(し)(いわ)く、可(か)なり。未(いま)だ貧(まず)しくして楽(たの)しみ、富(と)みて礼(れい)を好(この)む者(もの)には若(し)かざるなり。子貢(しこう)(いわ)く、詩(し)に云(い)う。切(き)るが如(ごと)く、磋(みが)くが如(ごと)く、琢(う)つが如(ごと)く、磨(と)するが如(ごと)く、其(そ)れ斯(こ)れを之(こ)れ謂(い)うか。子(し)(いわ)く、賜(し)や。始(はじ)めて与(とも)に詩(し)を言(い)う可(べ)きのみ。諸(こ)れに往(おう)を告(つ)げて来(らい)を知(し)る者(もの)なり。

(し)(いわ)く、人(ひと)の己(おのれ)を知(し)らざるを患(うれ)えず。人(ひと)を知(し)らざるを患(うれ)うなり。

2010年11月18日木曜日

DD3種 - 1.2 静電作用とコンデンサ - 1.2.1 クーロンの法則

失礼しました。コンテンツ順序を間違ってしまいました。改めて掲載します。

1.2 静電作用とコンデンサ

1.2.1 クーロンの法則

2個の電荷 Q1、Q2 の間には、Q1 と Q2 を結ぶ直線方向に静電力 F が働く。誘電率を ε[F/m]、Q1、Q2 の間の距離を r[m] とすると、静電力 F は次式で表せる。
つまり、静電力 F は、電荷 Q1、Q2 の積に比例し、Q1、Q2 の距離の2乗に反比例する。また、電荷 Q1、Q2 が 両方とも同符号(ともにプラス、またはマイナス)の場合は、反発する方向に静電力が働き、電荷 Q1、Q2異符号(プラスとマイナス)の場合は、引き合う方向に静電力が働く。

GIMP を使ってフォトレタッチ - 3.4 ファイルの読み込み & 3.5 GIMP で読み込めるファイル形式

3.4 ファイルの読み込み

GIMP では,多くの形式のファイルを読み込むことができます。ここでは,Web で扱う主な形式であるJPEG形式を例に読み込みの方法について説明します。なお,PDF形式等のファイルも読み込むことができますが,PDF形式の読み込みについては,別の機会に説明したいと思います。

  1. 「ファイルを読み込む」場合は,メニューバー「ファイル-開く」を選択するか,ショートカット「Ctrl+O」を操作します。
  2. 「画像を開く」ダイアログが表示されます。
  3. 開きたい画像ファイルの存在するフォルダをダブルクリックするか,フォルダ名を選択して「開くボタン」をクリックします。

    このときフォルダ階層がダイアログ上部に表示されていますので,そのパス上のフォルダであれば,ボタン形式で該当フォルダを選択することもできます。
  4. 最後に開きたい画像ファイルの選択後,「開くボタン」をクリックします。

    以上で,選択したファイルが開かれます。



3.5 GIMP で読み込めるファイル形式

GIMPでは、さまざまなファイル形式をサポートしています。GIMPのプラグインという機能を使用すれば多くのファイル形式をサポートできるようになりますが,ここでは標準的なファイル形式のいくつかについて説明します。

なお,注意しなければならない事は,読み込みできるファイル形式であっても,その形式が書き込み(保存)できるかどうかは別だと言うことです。例えば,PDF形式のファイルを読み込むことはできますが,PDF形式で保存することはできません。

XCF形式
GIMP固有のファイル形式です。通常,編集途中の画像などこの形式で読み込み,保存を行います。
JPEG形式
写真向きのファイル形式として一般的な形式です。フォトレタッチを主体に考えるならばもとおもよく使われる形式の一つでしょう。
PNG形式
GIF形式の代替形式として開発されたもので,インデックスカラー、グレイスケール、トゥルーカラーの画像をサポートし、アルファチャンネルも選択できます。
GIF形式
GIMPでは,GIF形式のファイルを開き,保存することができます。亦,インタレース画像の設定アニメーションを作成することも可能です。
TIFF形式
Apple社のMacでよく使用される形式です。
BMP形式
Microsoft社のWindowsでよく使用される形式です。
PCX形式
Zsoftファイル形式で,主にWindowsのペイントブラシや他のPCのペイントプログラムなどで使用されます。

2010年11月17日水曜日

DD3種 - 1.3 磁気作用 - 1.3.1 電磁力

1.3.1 電磁力

磁界中の導体に電流を流すと、その導体はある方向に力を受ける。この力を「電磁力」といい、磁界の方向、電流の流れる方向、力の方向の関係を表したものに「フレミングの左手の法則」がある。

2010年11月16日火曜日

ホームページを作ろう - 1.13 DTDの読み方(要素編)

1.13 DTDの読み方(要素編)

DTDにもいろいろな種類がありますが,ここではXHTML 1.0 のstrict.dtdを例に説明を進めることにします。

1.13.1 要素の定義
DTDでの要素定義は,まずは「<!ELEMENT」で始まる部分を探します。見つかれば,その部分は,次の形式で記述されています。
<!ELEMENT 要素名 内容モデル>
これまで学習してきた要素の例を以下に示します。
<!ELEMENT p %Inline;>

<!ELEMENT h1 %Inline;>
<!ELEMENT h2 %Inline;>
<!ELEMENT h3 %Inline;>
<!ELEMENT h4 %Inline;>

<!ELEMENT h5 %Inline;>
<!ELEMENT h6 %Inline;>

<!ELEMENT br EMPTY>

<!ELEMENT em %Inline;>
<!ELEMENT strong %Inline;>
<!ELEMENT dfn %Inline;>
<!ELEMENT code %Inline;>
<!ELEMENT samp %Inline;>

<!ELEMENT kbd %Inline;>
<!ELEMENT var %Inline;>
<!ELEMENT cite %Inline;>
<!ELEMENT abbr %Inline;>
<!ELEMENT acronym %Inline;>
<!ELEMENT q %Inline;>
<!ELEMENT sub %Inline;>
<!ELEMENT sup %Inline;>
1.13.2 要素名
要素名で指定されたものがタグを指定する場合の名前となります。

1.13.3 内容モデル
内容モデルは,その要素が持つことができる他の要素を定義します。もし,内容モデルに「EMPTY」と記述されている場合は,その要素は,空要素であることを意味します。つまり,EMPTY以外の指定がある場合,その要素は,必ず開始タグと終了タグを持つことになる訳です。
<!ELEMENT br EMPTY>
EMPTY以外の内容モデルは,以下の書式で定義されます。
書式意味
aa要素を必ず1個持つ(必須ということ)ことを意味します。
a?a要素を0個または1個持つ(オプションということ)ことを意味します。
a+a要素を必ず1個以上持つ(必須ということ)ことを意味します。
a*a要素を0個以上持つ(任意ということ)ことを意味します。
a , ba要素の次にb要素が出現することを意味します。
a | ba要素とb要素が任意の順序で出現することを意味します。
#PCDATA解析対象となる文字列を意味します。

解析対象文字列(#PCDATA)とは,タグその他の文字列を含んだもので,もし,それがタグであれば要素と解釈し,そうでなければ単純な文字列と解釈される文字列を意味します。例えば,
<p>abc<em>123</em>def</p>
の場合,最初に全体が解析対象となりp要素として解析されます。次にその内容「abc<em>123</em>def」が解析され,次のように解釈されます。
abcem要素def
そのため,em要素の部分を要素ではなく文字列「<em>123</em>」と表示したい場合,実体参照と呼ばれるものを使用します。

文字実体参照
&lt;
&gt;
&amp;
&quot;
&apos; (XHTMLのみ)

つまり,次のようなコードになります。
<p>abc&lt;em&gt;123&lt;/em&gt;def</p>

この場合は,「abcem要素def」ではなく,「<em>123</em>」のようにタグと解釈せずに単純な文字列として解釈されます。
1.13.4 パラメータ実体参照
これまでの要素のうちbr要素以外の内容モデルは,「%Inline;」と指定されています。これはパラメータ実体参照と呼ばれるものです。このパラメータ実体参照は以下のようなルールで記述されています。
%実体名;
これによって実体名を参照し,そこで指定されている置換テキストに置き換えて定義されます。このパラメータ実体参照の置換テキスト定義は「<!ENTITY」を探します。
<!ENTITY % 実体名 "置換テキスト">
例えば,「%Inline;」のパラメータ実体参照の置換テキスト定義を探すと,次のように定義されています。
<!ENTITY % Inline "(#PCDATA | %inline; | %misc;)*">
これにより,内容モデルには,解析対象文字列(#PCDATA),パラメータ実体参照(%inline; と %misc)が任意の順序で0回以上記述できることを意味します。いま,%misc; を無視して残りの%inline;を探すと次のようになります。
<!ENTITY % inline "a | %special; | %fontstyle; | %phrase; | %inline.forms;">
同様に%special; と %phrase;を探して,残りの部分を無視すると次のようになります。
<!ENTITY % special "br | span | bdo | object | img | map">
<!ENTITY % phrase "em | strong | dfn | code | q | sub | sup |
samp | kbd | var | cite | abbr | acronym">
これを逆に置き換えて行くと%Inline;は次のように置き換えられます(なお,無視した部分は含んでいません)。
<!ENTITY % Inline "(#PCDATA | br | span | bdo | object |
img | map | em | strong | dfn | code | q | sub | sup |
samp | kbd | var | cite | abbr | acronym)*">
このようにDTDを読むことにより,p要素,見出し要素のそれぞれの内側にp要素,見出し要素が記述できないことも分かります。

2010年11月15日月曜日

古典を読もう - 大學(伝之十章)

古典を読もう - 大學(伝之十章)

古典を読もう - 大學の最終回は、「伝之十章」(第十章)です。



傳之十章

原 文






所謂。平天下在治其國者。上老老而民興孝。上長長而民興弟。上恤孤而民不倍。是以君子。有絜矩之道也。

所惡於上。毋以使下。所惡於下。毋以事上。所惡於前。毋以先後。所惡於後毋以從前。所惡於右毋以交於左。所惡於左毋以交於右。此之謂絜矩之道。

詩云。樂只君子。民之父母。民之所好好之。民之所惡惡之。此之謂民之父母。

詩云。節彼南山。維石嚴嚴。赫赫師尹。民具爾瞻。有國者不可以不愼。辟則爲天下僇矣。

詩云。殷之未喪師。克配上帝。儀監于殷。峻命不易。道得衆則得國。失衆則失國。

是故君子。先愼乎德。有德此有人。有人此有土。有土此有財。有財此有用。

德者本也。財者末也。外本内末爭民施奪。

是故財聚則民散。財散則民聚。

是故言悖而出者。亦悖而入。貨悖而入者。亦悖而出。

康誥曰。惟命不于常。道善則得之。不善則失之矣。

楚書曰。楚國無以爲寶。惟善以爲寶。

舅犯曰。亡人無以爲寶。仁親以爲寶。

秦誓曰。若有一个臣。斷斷兮無他技。其心休休焉。其如有容焉。人之有技。若己有之。人之彥聖。其心好之不啻若自其口出。寔能容之以能保我子孫黎民。尚亦有利哉。人之有技媢疾以惡之。人之彥聖而違之俾不通。寔不能容。以不能保我子孫黎民亦曰殆哉。

唯仁人放流之。迸諸四夷。不與同中國。此謂唯仁人爲能愛人。能惡人。

見賢而不能擧。擧而不能先命也。見不善而不能退。退而不能遠過也。

好人之所惡。惡人之所好。是謂拂人之性。菑必逮夫身。

是故君子有大道。必忠信以得之。驕泰以失之。

生財有大道。生之者衆。食之者寡。爲之者疾。用之者舒。則財恒足矣。

仁者以財發身。不仁者以身發財。

未有上好仁而下不好義者也。未有好義其事不終者也。未有府庫財非其財者也。

孟獻子曰。畜馬乘不察於鷄豚。伐氷之家不畜牛羊。百乘之家不畜聚斂之臣。與其有聚斂之臣。寧有盗臣。此謂國不以利爲利。以義爲利也。

長國家而務財用者。必自小人矣。彼爲善之。小人之使爲國家。菑害竝至。雖有善者。亦無如之何矣。此謂國不以利爲利以義爲利也。

右傳之十章。釋治國平天下。

凡傳十章。前四章。統論綱領指趣。後六章。細論條目工夫。其第五章。乃明善之要。第六章。乃誠身之本。在初學尤爲當務之急。讀者不可以其近而忽之也。


読 み

(でん)の十章(じつしょう)

所謂(いわゆる)、天下(てんか)を平(たい)らかにするは其(そ)の国(くに)を治(おさ)むるに在(あ)りとは、上(かみ)(ろう)を老(ろう)として民(たみ)(こう)に興(おこ)り、上(かみ)(ちょう)を長(ちょう)として民(たみ)(てい)に興(おこ)り、上(かみ)(こ)を恤(あわれ)んで民(たみ)(そむ)かず。是(ここ)を以(もつ)て君子(くんし)は、絜矩(けつか)の道(みち)(あ)り。

(かみ)に悪(にく)む所(ところ)は、以(もつ)て下(しも)に使(つか)うこと毋(なか)れ。下(しも)に悪(にく)む所(ところ)は、以(もつ)て上(かみ)に事(つか)うること毋(なか)れ。前(まえ)に悪(にく)む所(ところ)は、以(もつ)て後(あと)に先(さき)んずること毋(なか)れ。後(あと)に悪(にく)む所(ところ)は、以(もつ)て前(まえ)に従(したが)うこと毋(なか)れ。右(みぎ)に悪(にく)む所(ところ)は、以(もつ)て左(ひだり)に交(まじ)わること毋(なか)れ。左(ひだり)に悪(にく)む所(ところ)は、以(もつ)て右(みぎ)に交(まじ)わること毋(なか)れ。此(こ)れ之(こ)を絜矩(けっく)の道(みち)と謂(い)う。

(し)に云(い)う。「楽只(たの)しき君子(くんし)は、民(たみ)の父母(ふぼ)。」と。民(たみ)の好(この)む所(ところ)は之(これ)を好(この)み、民(たみ)の悪(にく)む所(ところ)は之(これ)を悪(にく)む。此(こ)れ之(これ)を民(たみ)の父母(ふぼ)と謂(い)う。

(し)に云(い)う。「節(せつ)たる彼(か)の南山(なんざん)、維(こ)れ石(いし)厳厳(がんがん)たり。赫赫(かくかく)たる師尹(しいん)、民(たみ)(とも)に爾(なんじ)を瞻(み)る。」と。国(くに)を有(たも)つ者(もの)は、以(もつ)て慎(つつし)まざる可(べ)からず。辟(へき)するときは則(すなわ)ち天下(てんか)の僇(りく)と為(な)る。

(し)に云(い)う。「殷(いん)の未(いま)だ師(もろもろ)を喪(うし)わざるや、克(よ)く上帝(じょうてい)に配(はい)す。儀(よろ)しく殷(いん)に監(かんが)みるべし。峻命(しゅんめい)(やす)からず。」と。衆(しゅう)を得(え)れば則(すなわ)ち国(くに)を得(え)、衆(しゅう)を失(うしな)えば則(すなわ)ち国(くに)を失(うしな)うを道(い)うなり。

(こ)の故(ゆえ)に君子(くんし)は、先(ま)ず徳(とく)を慎(つつし)む。徳(とく)(あ)るときは人(ひと)(あ)り。人(ひと)(あ)るときは此(ここ)に土(つち)(あ)り。土(つち)(あ)るときは此(ここ)(ざい)(あ)り。財(ざい)(あ)るときは此(ここ)に用(よう)(あ)り。

(とく)は本(もと)なり。財(ざい)は末(すえ)なり。本(もと)を外(そと)にして末(すえ)を内(うち)にするときは民(たみ)を争(あらそ)わしめて奪(うば)うことを施(ほどこ)す。

(こ)の故(ゆえ)に財(ざい)(あつま)るときは則(すなわ)ち民(たみ)(さん)じ。財(ざい)(さん)ずるときは則(すなわ)ち民(たみ)(あつま)る。

(こ)の故(ゆえ)に言(げん)(もと)りて出(い)づる者(もの)は、亦(また)(もと)りて入(い)り、貨(か)(もと)りて入(い)る者(もの)は亦(また)(もと)りて出(い)づ。

康誥(こうこう)に曰(いわ)く。「惟(こ)れ命(めい)は常(つね)に于(おい)てせず。」と。善(ぜん)なれば則(すなわ)ち之(これ)を得(え)、不善(ふぜん)なれば則(すなわ)ち之(これ)を失(うしな)うを道(い)うなり。

楚書(そしょ)に曰(いわ)く。「楚国(そこく)には以(もつ)て宝(たから)と為(な)るもの無(な)し。惟(た)だ善(ぜん)(もつ)て宝(たから)と為(な)す。」と。

舅犯(きゅうはん)が曰(いわ)く。「亡人(ぼうじん)は以(もつ)て宝(たから)と為(な)るもの無(な)し。親(おや)を仁(いつくし)むは以(もつ)て宝(たから)と為(な)す。」と。

秦誓(しんせい)に曰(いわ)く。「若(も)し一个(いっか)の臣(しん)(あ)らん、断断(だんだん)として他(た)の技(わざ)(な)く、其(そ)の心(こころ)休休焉(きゅうきゅうえん)として、其(そ)れ容(い)るること有(あ)るが如(ごと)し。人(ひと)の技(わざ)(あ)るは、己(おのれ)(これ)を有(あ)るが若(ごと)く、人(ひと)の彦聖(げんせい)なるは、其(そ)の心(こころ)に之(これ)を好(この)みて啻(ただ)に其(そ)の口(くち)より出(いだ)すが若(ごと)きのみならず。寔(まこと)に能(よ)く之(これ)を容(い)れて以(もつ)て能(よ)く我(わ)が子孫黎民(しそんれいみん)を保(やすん)ず。尚(ねがわ)くは亦(また)(り)(あ)らんかな。人(ひと)の技(わざ)(あ)るを媢疾(ぼうしつ)して以(もつ)て之(これ)を悪(にく)み、人(ひと)の彦聖(げんせい)なる而(しか)も之(これ)に違(たが)いて通(つう)ぜざら俾(し)む。寔(まこと)に容(い)るること能(あた)わず。以(もつ)て我(わ)が子孫黎民(しそんれいみん)を保(やすん)ずること能(あた)わず。亦(また)(いわ)く殆(あやう)いかな。」と。

(た)だ仁人(じんじん)は、之(これ)を放流(ほうりゅう)して、諸(これ)を四夷(しい)に迸(しりぞ)け、与(とも)に中国(ちゅうごく)を同(おな)じくせず。此(これ)を唯(た)だ仁人(じんじん)(よ)く人(ひと)を愛(あい)し、能(よ)く人(ひと)を悪(にく)むことを為(な)すと謂(い)う。

(けん)を見(み)て挙(あ)ぐること能(あた)わず。挙(あ)げて先(さき)んずること能(あた)わざるは命(おこたり)なり。不善(ふぜん)を見(み)て退(しりぞ)くこと能(あた)わず。退(しりぞ)けて遠(とお)ざけること能(あた)わざるは過(あやまち)なり。

(ひと)の悪(にく)む所(ところ)を好(この)み、人(ひと)の好(この)む所(ところ)を悪(にく)む。是(これ)を人(ひと)の性(せい)に払(もと)ると謂(い)う。菑(わざわい)(かなら)ず夫(そ)の身(み)に逮(およ)ばん。

(こ)の故(ゆえ)に君子(くんし)に大道(たいどう)(あ)り。必(かなら)ず忠信(ちゅうしん)(もつ)て之(これ)を得(え)、驕泰(きょうたい)(もつ)て之(これ)を失(うしな)う。

(ざい)を生(しょう)ずるに大道(たいどう)(あ)り。之(これ)を生(しょう)ずる者(もの)は衆(おお)く、之(これ)を食(くら)う者(もの)は寡(すくな)く、之(これ)を為(な)る者(もの)は疾(と)く、之(これ)を用(もち)いる者(もの)は舒(ゆる)きときは、則(すなわ)ち財(ざい)(つね)に足(た)る。

仁者(じんしゃ)は財(ざい)を以(もつ)て身(み)を発(はつ)し、不仁者(ふじんしゃ)は身(み)を以(もつ)て財(ざい)を発(はつ)す。

(いま)だ上(かみ)(じん)を好(この)めども而(しか)も下(しも)(ぎ)を好(この)まざる者(もの)は有(あ)らざるなり。未(いま)だ義(ぎ)を好(この)めども其(そ)の事(こと)(お)わらざる者(もの)は有(あ)らざるなり。未(いま)だ府庫(ふこ)の財(ざい)(そ)の財(ざい)に非(あら)ざる者(もの)は有(あ)らざるなり。

孟獻子(もうけんし)(いわ)く。「馬乗(ばじょう)を畜(か)うものは鶏豚(けいとん)を察(さつ)せず。伐氷(ばっぴょう)の家(いえ)には牛羊(ぎゅうよう)を畜(か)わず。百乗(ひゃくじょう)の家(いえ)には聚斂(しゅうれん)の臣(しん)を畜(か)わず。其(そ)の聚斂(しゅうれん)の臣(しん)(あ)らんよりは、寧(むし)ろ盗臣(とうしん)(あ)り。」と。此(これ)を国(くに)は利(り)を以(もつ)て利(り)と為(な)さず、義(ぎ)を以(もつ)て利(り)と為(な)すと謂(い)うなり。

国家(こっか)に長(ちょう)として財用(ざいよう)を務(つと)むる者(もの)は、必(かなら)ず小人(しょうじん)による。(「彼爲善之」章句にこの句の上下に闕文誤字あらんと)。小人(しょうじん)をして国家(こっか)を為(おさ)めしむれば、菑害(さいがい)(なら)び至(いた)る。善者(ぜんしゃ)(あ)りと雖(いえど)も亦(また)(これ)を如何(いかん)ともする無(な)し。此(これ)を国(くに)は利(り)を以(もつ)て利(り)と為(な)さず、義(ぎ)を以(もつ)て利(り)と為(な)すと謂(い)うなり。

(みぎ)(でん)の十章(じつしょう)は、国(くに)を治(おさ)め天下(てんか)を平(たい)らかにすることを釈(と)く。

(すべ)て伝十章(でんじつしょう)にして、前(まえ)の四章(よんしょう)は、綱領(こうりょう)の指趣(ししゅ)を統論(とうろん)す。後(のち)の六章(ろくしょう)は、條目(じょうもく)の工夫(くふう)を細論(さいろん)す。其(そ)の第五章(だいごしょう)は、乃(すなわ)ち善(ぜん)を明(あき)らかにするの要(よう)。第六章(だいろくしょう)は、乃(すなわ)ち身(み)を誠(まこと)にするの本(もと)。初学(しょがく)に在(あ)りて尤(もつと)も当(まさ)に務(つとむ)べきの急(きゅう)(な)り。読者(どくしゃ)(そ)の近(ちか)きを以(もつ)て之(これ)を忽(ゆるがせ)にす可(べ)からざるなり。

古典を読もう - 大學(伝之九章)

古典を読もう - 大學(伝之九章)

古典を読もう - 大學の十回目は、「伝之九章」(第九章)です。



傳之九章

原 文



所謂。治國。必先齊其家者。其家不可教而能教人者無之。故君子不出家。而成教於國。孝者所以事君也。弟者所以事長也。慈者所以使衆也。

康誥曰。如保赤子。心誠求之雖不中不遠矣。未有學養子而後嫁者也。

一家仁。一國興仁。一家讓。一國興讓。一人貪戻。一國作亂。其機如此。此謂一言?事。一人定國。

堯舜帥天下以仁。而民從之。桀紂帥天下以暴。而民從之。其所令反其所好而民不從。是故君子有諸己。而后求諸人。無諸己。而后非諸人。所藏乎身不恕。而能喩諸人者。未之有也。

故治國。在齊其家。

詩云。「桃之夭夭。其葉蓁蓁。之子于歸。宜其家人。」宜其家人。而後可以教國人。

詩云。「宜兄宜弟。」宜兄宜弟。而後可以教國人。

詩云。「其儀不忒。正是四國。」其爲父子兄弟足法。而后民法之也。

此謂治國在齊其家。

右傳之九章。釋齊家治國。


読 み

(でん)の九章(きゅうしょう)

所謂(いわゆる)、国(くに)を治(おさ)むるは必(かなら)ず先(ま)ず其(そ)の家(いえ)を斉(ととの)うとは、其(そ)の家(いえ)、教(おし)う可(べ)からずして能(よ)く人(ひと)を教(おし)うる者(もの)は之(こ)れ無(な)し。故(ゆえ)に君子(くんし)は家(いえ)を出(い)でずして教(おし)えを国(くに)に成(な)す。孝(こう)は君(きみ)に事(つか)うる所以(ゆえん)なり。弟(てい)は長(ちょう)に事(つか)うる所以(ゆえん)なり。慈(じ)は衆(しゅう)を使(つか)う所以(ゆえん)なり。

康誥(こうこう)に曰(いわ)く、「赤子(せきし)を保(やすん)ずるが如(ごと)し」と。心(こころ)(まこと)に之(これ)を求(もと)めば、中(あた)らずと雖(いえど)も遠(とお)からず。未(いま)だ子(こ)を養(やしな)うことを学(まな)びて後(のち)に嫁(とつ)ぐ者(もの)は有(あ)らざるなり。

一家(いつか)(じん)なるときは一国(いつこく)(じん)に興(おこ)り、一家(いつか)(じょう)なるときは一国(いつこく)(じょう)に興(おこ)り、一人(いちにん)貪戻(たんれい)なるときは一国(いつこく)(らん)を作(な)す。其(そ)の機(き)(かく)の如(ごと)し。此(これ)を一言(いちげん)(こと)を?(やぶ)り、一人(いちにん)(くに)を定(さだ)むと謂(い)う。

堯舜(ぎょうしゅん)天下(てんか)を帥(ひき)いるに仁(じん)を以(もつ)てして、民(たみ)(これ)に従(したが)う。桀紂(けつちゅう)天下(てんか)を帥(ひき)いるに暴(ぼう)を以(もつ)てして、民(たみ)(これ)に従(したが)う。其(そ)の令(れい)する所(ところ)(そ)の好(この)む所(ところ)に反(はん)して民(たみ)(したが)わず。是(こ)の故(ゆえ)に君子(くんし)は諸(これ)を己(おのれ)に有(ゆう)して而(しか)る后(のち)に諸(これ)を人(ひと)に求(もと)む。諸(これ)を己(おのれ)に無(な)くして而(しか)る后(のち)に諸(これ)を人(ひと)に非(そし)る。身(み)に蔵(ぞう)する所(ところ)(じょ)ならずして能(よ)く諸(これ)を人(ひと)に喩(さと)す者(もの)は、未(いま)だ之(こ)れ有(あ)らざるなり。

(ゆえ)に国(くに)を治(おさ)むるは其(そ)の家(いえ)を斉(ととの)うるに在(あ)り。

(し)に云(い)う、「桃(もも)の夭夭(ようよう)たる、其(そ)の葉(は)蓁蓁(しんしん)たり。之(こ)の子(こ)(ここ)に帰(とつ)がば、其(そ)の家人(かじん)に宜(よろ)しからん。」と。其(そ)の家人(かじん)に宜(よろ)しくして而(しか)る後(のち)に以(もつ)て国人(こくじん)を教(おし)うべし。

(し)に云(い)う、「兄(けい)に宜(よろ)しく弟(てい)に宜(よろ)し。」と。兄(けい)に宜(よろ)しく弟(てい)に宜(よろ)しくして而(しか)る後(のち)に以(もつ)て国人(こくじん)を教(おし)うべし。

(し)に云(い)う、「其(そ)の儀(ぎ)(たが)わず、是(こ)の四国(しこく)を正(ただ)しくす。」と。其(そ)の父子兄弟(ふしけいてい)(な)ること法(のり)とるに足(た)りて而(しか)る后(のち)に民(たみ)(これ)に法(のり)とるなり。

(これ)を国(くに)を治(おさ)むることは其(そ)の家(いえ)を斉(ととの)うるに在(あ)りと謂(い)うなり

(みぎ)(でん)の九章(きゅうしょう)、家(いえ)を斉(ととの)え国(くに)を治(おさ)むることを釈(と)く。

古典を読もう - 大學(伝之八章)

古典を読もう - 大學(伝之八章)

古典を読もう - 大學の九回目は、「伝之八章」(第八章)です。



傳之八章

原 文


所謂。齊其家在脩其身者。人之其所親愛而辟焉。之其所賤惡而辟焉。之其所畏敬而辟焉。之其所哀矜而辟焉。其所敖惰而辟焉。故好而知其惡。惡而知其美者天下鮮矣。

故諺有之。曰。人莫知其子之惡。莫知其苗之碩。

此謂身不脩不可以齊其家。

右傳之八章。釋脩身齊家。


読 み

(でん)の八章(はちしょう)

所謂(いわゆる)、其(そ)の家(いえ)を斉(ととの)うるは其(そ)の身(み)を修(おさ)むるに在(あ)りとは、人(ひと)(そ)の親愛(しんあい)する所(ところ)に之(ゆい)て辟(へき)す。其(そ)の賤悪(せんお)する所(ところ)に之(ゆい)て辟(へき)す。其(そ)の畏敬(いけい)する所(ところ)に之(ゆい)て辟(へき)す。其(そ)の哀矜(あいぎょう)する所(ところ)に之(ゆい)て辟(へき)す。其(そ)の敖惰(ごうだ)する所(ところ)に之(ゆい)て辟(へき)す。故(ゆえ)に好(この)みて其(そ)の悪(あ)しきを知(し)り、悪(にく)みて其(そ)の美(うつく)しきを知(し)る者(もの)は、天下(てんか)に鮮(すく)なし。

(ゆえ)に諺(ことわざ)に之(こ)れ有(あ)り。曰(いわ)く、「人(ひと)(そ)の子(こ)の悪(あ)しきを知(し)るものなく、其(そ)の苗(なえ)の碩(おおい)なるを知(し)るものなし」と。

(こ)れを身(み)(おさ)まらずば以(もつ)て其(そ)の家(いえ)を斉(ととの)う可(べ)からずと謂(い)うなり。

(みぎ)(でん)の八章(はちしょう)は、身(み)を修(おさ)め家(いえ)を斉(ととの)うることを釈(と)く。