2010年11月8日月曜日

LaTeX2e 入門教室 - 2.5.4 書体について

2.5.4 書体について

見出しの構造が完成した所で,つぎに本文の記述について見てみましょう。まずは,「1.2 LaTeX2e で何ができるのですか?」の部分まで作成してみることにします。

1.2 までの部分のみを作成したソースをつぎに掲載します。
¥documentclass{jsarticle}
%表題
¥title{¥LaTeXe 入門教室}
¥author{}
¥date{}
%以下本文
¥begin{document}
¥maketitle
¥section{導 入}
¥subsection{LaTeX2e とは何ですか?}
『LaTeX2e』とは,レスリー・ランポート(Leslie Lamport)によって
開発されたテキストベースの組版処理システムです。

¥subsection{LaTeX2e で何ができるのですか?}
簡単に言えば,テキストエディタなどで作成した文書を最終的には
PDF形式に変換することができるソフトウェアです(正確には,変換
には別のソフトウェアを使用しますが,一般的な最終出力はPDF形式
のものが多数です)。
¥end{document}
通常の段落のみであれば,このように文章を作成するだけです。ここで,「テキストベースの組版処理システム」の部分を太字にしたいと思います。太字にする場合は,「テキストベースの組版処理システム」に¥textbf コマンドを適用します。
¥documentclass{jsarticle}
%表題
¥title{¥LaTeXe 入門教室}
¥author{}
¥date{}
%以下本文
¥begin{document}
¥maketitle
¥section{導 入}
¥subsection{LaTeX2e とは何ですか?}
『LaTeX2e』とは,レスリー・ランポート(Leslie Lamport)によって
開発された¥textbf{テキストベースの組版処理システム}です。

¥subsection{LaTeX2e で何ができるのですか?}
簡単に言えば,テキストエディタなどで作成した文書を最終的には
PDF形式に変換することができるソフトウェアです(正確には,変換
には別のソフトウェアを使用しますが,一般的な最終出力はPDF形式
のものが多数です)。
¥end{document}
ここでは,「太字」を指定しましたが,それ以外に「斜体」あるいは「明朝体」や「ゴシック体」などの「書体」を指定することができます。この「書体」を指定するコマンドは「¥text??{...}」の形式のコマンドを使用します。

コマンド書体
¥textrmローマン体(和文の明朝相当)
¥textsfサンセリフ体(和文のゴシック相当)
¥texttt等幅体
¥textmdデフォルトの太さ
¥textbf太字
¥textup直立体
¥textit斜体
¥textsl直立体を斜めにする
¥textscスポールキャピタル
¥textgtゴシック体
¥textmc明朝体

では,各コマンドを実際に適用した場合の表示例を見てみましょう。

この表示結果を見ると,実際には,斜体になっていないものやゴシックになっていないものなどがあることが分かると思います。実は「書体」を扱う場合,その文字が「和文」か「欧文」かで結果が異なります。通常の設定では,以下のようになります。

コマンド書体和文欧文
¥textrmローマン体(和文の明朝相当)明朝体で表示適用される
¥textsfサンセリフ体(和文のゴシック相当)ゴシック太字で表示適用される
¥texttt等幅体ゴシック太字で表示適用される
¥textmdデフォルトの太さ適用されない適用される
¥textbf太字ゴシック太字で表示適用される
¥textup直立体適用されない適用される
¥textit斜体適用されない適用される
¥textsl直立体を斜めにする適用されない適用される
¥textscスポールキャピタル適用されない適用される
¥textgtゴシック体ゴシック太字で表示される適用されない
¥textmc明朝体適用される適用されない

つまり,「和文」と「欧文」を分けて考えなければいけないということです。ただし,私たちが通常扱う文章は「和文」ですから,実際には,初期設定の「明朝体」と「ゴシック太字」の2種類だけしか指定できないので,後はすべて「欧文」のための書体と考えた方が無難です(和文の書体をもっと細かく指定するためには,インストールのところで扱った設定ファイルを変更する必要があります。この部分は,それなりに難易度が高いので,割愛します)

では,最後に「太字」を適用した上のソースの表示例を掲載おきます。

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