2010年12月3日金曜日

古典を読もう - 論語(八佾第三)

古典を読もう - 論語(八佾第三)

論語(3)は、「八佾第三」です。



八佾第三

原 文

孔子謂季氏。八佾舞於庭。是可忍也。孰不可忍也。

三家者以雍徹。子曰。相維辟公。天子穆穆。奚取於三家之堂。

子曰。人而不仁。如禮何。人而不仁。如樂何。

林放問禮之本。子曰。大哉問。禮與其奢也寧儉。喪與其易也寧戚。

子曰。夷狄之有君。不如諸夏之亡也。

季氏旅於泰山。子謂冉有曰。女弗能救與。對曰不能。子曰。嗚呼曾謂泰山不如林放乎。

子曰。君子無所爭。必也射乎。揖讓而升。下而飮。其爭也君子。

子夏問曰。巧笑倩兮。美目盼兮。素以爲絢兮。何謂也。子曰。繪事後素。曰、禮後乎。子曰。起予者商也。始可與言詩已矣。

子曰。夏禮吾能言之。杞不足徴也。殷禮吾能言之。宋不足徴也。文獻不足故也。足則吾能徴之矣。

子曰。禘自旣灌而往者。吾不欲觀之矣。

或問禘之說。子曰。不知也。知其說者之於天下也。其如示諸斯乎。指其掌。

祭如在。祭神如神在。子曰。吾不與祭。如不祭。

王孫賈問曰。與其媚於奧。寧媚於竈。何謂也。子曰。不然。獲罪於天。無所禱也。

子曰。周監於二代。郁郁乎文哉。吾從周。

子入大廟。每事問。或曰。孰謂鄹人之子知禮乎。入大廟。每事問。子聞之曰。是禮也。

子曰。射不主皮。爲力不同科。古之道也。

子貢欲去告朔之餼羊。子曰。賜也。爾愛其羊。我愛其禮。

子曰。事君盡禮。人以爲諂也。

定公問。君使臣。臣事君。如之何。孔子對曰。君使臣以禮。臣事君以忠。

子曰。關雎樂而不淫。哀而不傷。

哀公問社於宰我。宰我對曰。夏后氏以松。殷人以栢。周人以栗。曰。使民戰栗。子聞之曰。成事不說。遂事不諫。旣往不咎。

子曰、管仲之器小哉。或曰。管仲儉乎。曰。管氏有三歸。官事不攝。焉得儉。然則管仲知禮乎。曰。邦君樹塞門。管氏亦樹塞門。邦君爲兩君之好。有反坫。管氏亦有反坫。管氏而知禮。孰不知禮。

子語魯大師樂曰。樂其可知也。始作。翕如也。從之純如也。皦如也。繹如也。以成。

儀封人請見曰。君子之至於斯也。吾未嘗不得見也。從者見之出曰。二三子何患於喪乎。天下之無道也久矣。天將以夫子爲木鐸。

子謂韶盡美矣。又盡善也。謂武盡美矣。未盡善也。

子曰。居上不寬。爲禮不敬。臨喪不哀。吾何以觀之哉。

読 み

八佾第三(はついつ)

孔子(こうし)季氏(きし)を謂(い)う。八佾(はついつ)(にわ)に舞(ま)わす。是(これ)を忍(しの)ぶ可(べ)くんば孰(いず)れか忍(しの)ぶ可(べ)からざるなり。

三家(さんか)は雍(よう)を以(もつ)て徹(てつ)す。子(し)(いわ)く。相(たす)くる維(こ)れ辟公(へきこう)あり、天子(てんし)穆穆(ぼくぼく)たり。奚(なん)ぞ三家(さんか)の堂(どう)に取(と)らん。

(し)(いわ)く。人(ひと)として仁(じん)ならざれば、礼(れい)を如何(いかん)せん。人(ひと)として仁(じん)ならざれば、楽(がく)を如何(いかん)せん。

林放(りんぽう)(れい)の本(もと)を問(と)う。子(し)(いわ)く。大(おお)いなるかな問(と)いや。礼(れい)は其(そ)の奢(おご)らんよりは寧(むし)ろ倹(けん)せよ。喪(そう)は其(そ)の易(おさ)めんよりは寧(むし)ろ戚(せき)せよ。

(し)(いわ)く。夷狄(いてき)の君(きみ)(あ)るは、諸夏(しょか)の亡(な)きに如(し)かざるなり。

季氏(きし)、泰山(たいざん)を旅(たび)す。子(し)冉有(ぜんゆう)に謂(い)いて曰(いわ)く。女(なん)ぢ救(すく)うこと能(あた)わざるか。対(こた)えて曰(いわ)く能(あた)わず。子(し)(いわ)く。嗚呼(ああ)、曾(かつ)て泰山(たいざん)は林放(りんぽう)に如(し)かずと謂(おも)えるか。

(し)(いわ)く。君子(くんし)(あらそ)う所(ところ)(な)し。必(かなら)ずや射(しゃ)か。揖譲(ゆうじょう)して升(のぼ)り、下(くだ)りて飲(の)む。其(そ)の争(あらそ)いや君子(くんし)なり。

子夏(しか)(と)うて曰(いわ)く。巧笑(こうしょう)(せん)たり。美目(びもく)(へん)たり。素(そ)(もつ)て絢(あや)を為(な)すは、何(なん)の謂(いい)ぞや。子(し)(いわ)く。絵(え)の事(こと)は素(そ)より後(あと)にす。曰(いわ)く、礼(れい)は後(あと)か。子(し)(いわ)く。予(よ)を起(おこ)す者(もの)は商(しょう)なり。始(はじ)めて与(とも)に詩(し)を言(い)う可(べ)きのみ。

(し)(いわ)く。夏(か)の礼(れい)は吾(われ)(よ)く之(これ)を言(い)うも、杞(き)は徴(ちょう)するに足(た)らざるなり。殷(いん)の礼(れい)は吾(われ)(よ)く之(これ)を言(い)うも、宋(そう)は徴(ちょう)するに足(た)らざるなり。文献(ぶんけん)(た)らざるが故(ゆえ)なり。足(た)らば則(すなわ)ち吾(われ)(よ)く之(これ)を徴(ちょう)せん。

(し)(いわ)く。禘(てい)は既(すで)に灌(かん)してより往(のち)は、吾(われ)(これ)を観(み)るを欲(ほつ)せず。

(ある)ひと禘(てい)の説(せつ)を問(と)う。子(し)(いわ)く。知(し)らざるなり。其(そ)の説(せつ)を知(し)る者(もの)の天下(てんか)に於(お)けるや。其(そ)れ諸(こ)れを斯(ここ)に示(み)るが如(ごと)きか。其(そ)の掌(たなごころ)を指(ゆび)さす。

(まつ)ること在(いま)すが如(ごと)し。神(かみ)を祭(まつ)ること神(かみ)(いま)すが如(ごと)し。子(し)(いわ)く。吾(われ)(まつ)りに与(あづ)からざれば祭(まつ)らざるが如(ごと)し。

王孫賈(おうそんか)(と)うて曰(いわ)く。其(そ)の奥(おく)に媚(こ)びんよりは、寧(むし)ろ竈(そう)に媚(こ)びよとは何(なん)の謂(いい)ぞや。子(し)(いわ)く。然(しか)らず。罪(つみ)を天(てん)に獲(と)れば、祷(いの)る所(ところ)(な)きなり。

(し)(いわ)く。周(しゅう)二代(にだい)に監(かんが)み、郁郁乎(いくいくこ)として文(ぶん)なるかな。吾(われ)は周(しゅう)に従(したが)わん。

(し)大廟(たいびょう)に入(い)りて、事每(ことごと)に問(と)う。或(ある)ひと曰(いわ)く。孰(たれ)か鄹人(すうひと)の子(こ)を礼(れい)を知(し)ると謂(い)うか。大廟(たいびょう)に入(い)りて、事每(ことごと)に問(と)う。子(し)(これ)を聞(き)いて曰(いわ)く。是(こ)れ礼(れい)なり。

(し)(いわ)く。射(しゃ)の皮(かわ)を主(しゅ)とせず、力(ちから)の科(しな)を同(おな)じくせざる為(ため)なり。古(いにしえ)の道(みち)なり。

子貢(しこう)告朔(こくさく)の餼羊(きよう)を去(さ)らんと欲(ほつ)す。子(し)(いわ)く。賜(し)や、爾(なんじ)(そ)の羊(ひつじ)を愛(いとお)しむ。我(わ)れは其(そ)の礼(れい)を愛(あい)す。

(し)(いわ)く。君(きみ)に事(つか)うるに礼(れい)を尽(つ)くせば、人(ひと)(もつ)て諂(へつら)いと為(な)すなり。

定公(ていこう)(と)う。君(きみ)、臣(しん)を使(つか)い、臣(しん)、君(きみ)に事(つか)うるに、之(これ)を如何(いかん)せんか。孔子(こうし)(こた)えて曰(いわ)く。君(きみ)、臣(しん)を使(つか)うに礼(れい)を以(もつ)てし、臣(しん)、君(きみ)に事(つか)うるに忠(ちゅう)を以(もつ)てす。

(し)(いわ)く。關雎(かんしょ)は楽(たの)しんで淫(いん)せず。哀(かな)しんで傷(やぶ)らず。

哀公(あいこう)、社(しゃ)を宰我(さいが)に問(と)う。宰我(さいが)(こた)えて曰(いわ)く。夏后氏(かこうし)は松(しょう)を以(もつ)てし、殷人(いんじん)は柏(はく)を以(もつ)てし、周人(しゅうじん)は栗(りつ)を以(もつ)てす。曰(いわ)く。民(たみ)をして戦栗(せんりつ)せしむと。子(し)(これ)を聞(き)きて曰(いわ)く。成事(せいじ)は説(と)かず。遂事(すいじ)は諌(いさ)めず。既往(きおう)は咎(とが)めず。

(し)(いわ)く。管仲(かんちゅう)の器(き)(しょう)なるか。或(ある)ひと曰(いわ)く。管仲(かんちゅう)は倹(けん)なるか。曰(いわ)く。管氏(かんし)に三帰(さんき)(あ)り。官事(かんじ)(か)ねず、焉(いずく)んぞ倹(けん)を得(え)ん。然(しか)らば則(すなわ)ち管仲(かんちゅう)は礼(れい)を知(し)るか。曰(いわ)く。邦君(ほうくん)(じゅ)して門(もん)を塞(ふさ)ぐ。管氏(かんし)も亦(また)(じゅ)して門(もん)を塞(ふさ)ぐ。邦君(ほうくん)両君(りょうくん)の好(こう)を為(な)すに反坫(はんてん)(あ)り。管氏(かんし)も亦(また)反坫(はんてん)(あ)り。管氏(かんし)にして礼(れい)を知(し)らば、孰(たれ)か礼(れい)を知(し)らざらん。

(し)、魯(ろ)の大師(たいし)に楽(がく)を語(つ)げて曰(いわ)く。楽(がく)は其(そ)の知(し)る可(べ)きなり。始(はじ)めて作(な)すに、翕如(きゅうじょ)たり。之(これ)を従(はな)ちて純如(じゅんじょ)たり。皦如(きょうじょ)たり。繹如(えきじょ)たり。以(もつ)て成(な)る。

(ぎ)の封人(ほうじん)(まみ)えんことを請(こ)うて曰(いわ)く。君子(くんし)の斯(ここ)に至(いた)るや、吾(われ)(いま)だ嘗(かつ)て見(まみ)ゆるを得(え)ずんばあらず。従者(じゅうしゃ)(これ)を見(まみ)えしむ。出(い)でて曰(いわ)く。二三子(じさんし)(なん)ぞ喪(うしな)うを患(うれ)えんや。天下(てんか)の道(みち)(な)きや久(ひさ)し。天(てん)(まさ)に夫子(ふうし)を以(もつ)て木鐸(ぼくたく)と為(な)さんとす。

(し)、韶(しょう)を謂(い)う。美(び)を尽(つ)くせり。又(また)(ぜん)を尽(つ)くせり。武(ぶ)を謂(い)う。美(び)を尽(つ)くせり。未(いま)だ善(ぜん)を尽(つ)くさざるなり。

(し)(いわ)く。上(かみ)に居(い)て寬(かん)ならず。礼(れい)を為(な)して敬(けい)せず。喪(も)に臨(のぞ)みて哀(かな)しまず。吾(われ)(なに)を以(もつ)て之(これ)を観(み)ん。

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