2010年10月4日月曜日

LaTeX2e入門教室-2.4.4 空白の取り扱いと改行・改ページ

2.4.4 空白の取り扱いと改行・改ページ

例として,以下のような本文について考えてみます。
¥begin{document}
あいうえお かきくけこ

あいうえお かきくけこ
¥end{document}

この例では,2つの段落がありますが,1つ目の段落のソースでは,「あいうえお」と「かきくけこ」の間を1文字の半角空白で区切っています。また,2つ目の段落では,8文字の半角空白を2つの文字列の間に入れています。実は,この2つの段落を変換すると,「あいうえお」と「かきくけこ」の間を1文字の半角空白で区切った同じ文字列として表示されます。
あいうえお かきくけこ
あいうえお かきくけこ
つまり,ソース中の連続した半角空白はすべて1文字の半角空白と見なされます。なお,全角空白は独立した1文字として他の全角文字と同様に取り扱われます。

もし,2文字以上の半角空白をそれぞれ表示したい場合は,半角空白の前に記号「\」を付加します。
あいうえお \ \ \ \ \ \ \ かきくけこ
このようにすれば,それぞれ独立した半角空白文字として出力されます。
あいうえお        かきくけこ
つぎに改行のルールについて説明します。次の例を見てください。
\begin{document}
あいうえおかきくけこ

あいうえお
かきくけこ

abcdefg hijklmn

abcdefg
hijklmn
\end{document}
1番目の段落では,「あいうえお」と「かきくけこ」を連続して記述しています。2番目の段落では,「あいうえお」の後に改行して,「かきくけこ」と記述しています。このようなソース中の「改行」は基本的に無視されます。ただし,空行は段落の区切りの意味になるので,注意してください。

ソース中の改行は基本的に無視され,変換結果では,「改行」されません。つまり,1つ目の段落と2つ目の段落は同じ出力になります。ただし,基本的に無視と書いたのには,訳があります。完全に無視されるのは,行末が「全角文字」の場合だけです。すなわち,行末が半角文字の場合は,完全な無視ではなく,1文字の半角空白と見なされます。つまり,出力結果は,次のようになります。
あいうえおかきくけこ
あいうえおかきくけこ
abcdefg hijklmn
abcdefg hijklmn
では,強制的に改行を行うためには,どのようにすれば良いのでしょうか。強制的改行は「\\」で行います。
\begin{document}
あいうえおかきくけこ

あいうえお\\
かきくけこ
\end{document}
この例の場合,1つ目の段落として「あいうえおかきくけこ」を表示し,2番目の段落の1行目として「あいうえお」,2行目として「かきくけこ」を表示します。
 あいうえおかきくけこ
 あいうえお
かきくけこ
さらに次の例を見てみましょう。
\begin{document}
1つ目の段落\\

2つ目の段落
\end{document}
この例の場合,1つ目の段落の最後に強制改行「\\」が記述してあり,その後に「空行」,すなわち,段落区切りの改行を出力後,2つ目の段落を出力することになります。つまり,段落間に1行空きができることになります。
1つ目の段落

2つ目の段落
このとき,記号「\\」の記述位置に注意しなければなりません。
\begin{document}
1つ目の段落
\\
2つ目の段落
\end{document}
この場合,1つ目の段落と2つ目の段落の間に強制改行「\\」があるので,強制的に改行されますが,空行が存在しないので,あくまでの1つの段落内での強制改行となり,別々の段落とは認識されません。
 1つ目の段落
2つ目の段落
では,最後に強制改ページの方法について説明します。長い本文の場合,ページは自動的に改ページされますが,ある特定の位置で強制的に改ページさせたい場合は,コマンド「\newpage」を記述します。
\begin{document}
1ページ目
\newpage
ここから新しいページ
\end{document}
このサンプルの場合,文字列「1ページ目」を出力後,改ページされ,文字列「ここから新しいページ」が次のページの最初の段落として出力されます。

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