2010年9月11日土曜日

LaTeX2e入門教室-2.2 コマンド

2.2 コマンド

最初に作成したtest.texというファイルの中で,記号「\」で始まる部分のことを「コマンド」と呼びます。LaTeX2e では,このコマンドによっていろいろな数学記号を表現したり,文書の整形をしたりします。

コマンドには,いろいろな種類がありますが,コマンドが正しく動作するために追加の情報を指定するものもあります。この追加の情報を「引数」と呼び,記号「{」と「}」の間に指定します。また,オプション(必要に応じて指定する引数)の場合は,記号「[」と「]」の間に指定します。また,「\begin{...}」「\end{...}」は対応して指定するコマンドで,特に「環境」と呼びます。

最初に作成したtest.texの内容は以下のとおりでした。
\documentclass{jarticle}
\begin{document}

ただいまテスト中。

\LaTeX
\end{document}
この内容を例にとると,先頭は,「\documentclassコマンド」で引数に「jarticle」を指定します。次に「\begin{document}」と「\end{document}」で囲まれた「document環境」,そのdocument環境の中では「\LaTeXコマンド」を引数なしで記述しています。

2010年9月10日金曜日

ホームページを作ろう-1.3 できたら確認しよう

1.3 できたら確認しよう

PDF版本文3ページから4ページの「1.3 できたら確認しよう」,Web版の「1.3 できたら確認しよう」の説明です。

本文では,Firefox を例に手順を説明していますが,Windows の場合であれば,もっとも単純な方法は,作成した「test.html」をダブルクリックすることです。


この操作により,通常使うブラウザに設定されているブラウザにより自動的にtest.htmlが開かれます。

ブラウザ(browser)とは、情報を表示し閲覧するためのソフトウェアのことであり,正確には,ウェブブラウザ(WWWブラウザ,Webブラウザ)あるいはインターネットブラウザとも呼ばれます。
また,ユーザーエージェント (UA:User Agent)とも呼ばれることもありますが,UAとは、あるプロトコル(通信規約)に従ってデータを利用するソフトウェアのことです。

ブラウザは,大きく分けて3つの機能を持っています。
  1. HTTPプロトコルに基づいて,Webサーバと通信するためのUAの機能
  2. 取得した情報(HTMLや画像など)を解析する機能
  3. 解析結果をもとにデータを表示する機能
以下にIE8とFirefoxでの表示例をあげておきます。


さて,うまく表示できたでしょうか?もし,うまく表示できなければ,正しくHTMLファイルができているかどうか確認してください。

2010年9月9日木曜日

ホームページを作ろう-1.2 とにかく作ろう

1.2 とにかく作ろう

「ホームページの基礎」の2ページ(PDF版)から始まる「1.2 とにかく作ろう」では,テキストエディタを使ってHTMLファイルと呼ばれるものを作成しています。
「Web版 ホームページの基礎」では,http://poem.kagebo-shi.com/html/c02.htmlに「1.2 とにかく作ろう」があります。

テキストエディタのもっとも単純なものはWindowsに付属している「メモ帳」です。しばらくはこのソフトウェアを使っても良いですが,他にも便利なテキストエディタが数多くあります。

メモ帳に不便を感じてきたら,他のテキストエディタを使われても結構です。ちなみに拙作の「pectin」はホームページ作成に特化したエディタです。ただし,このソフトウェアは「Java」を必要としますので,そのインストール方法や使い方は,また,別の機会に譲ることにして,今は「メモ帳」で作業を進めることとします。

「1.2 とにかく作ろう」で作成するファイルは,ファイル名を「test.html」としていますが,すべて半角英字で入力します。

また、<html>や<head>などの部分もすべて半角文字で入力します。
<html>
<head>
<title>とにかく作ろう</title>
</head>
<body>
<p>初めてのWebページ</p>
</body>
</html>
この内容が入力できたファイルを「HTMLファイル」と呼びます。このとき拡張子を「.html」とすることに注意してください。昔は「.htm」という拡張子を使っていましたが,現在は「.html」が主流です。また,実際のサーバーによっては,「.html」でないと動作しないように設定されているものもあります。

さあ,次回は,この作成した「test.html」というホームページを実際に表示して見ましょう。

2010年9月8日水曜日

LaTeX2e 入門教室-2 文書作成の概要-2.1.1 タイプセット

2 文書作成の概要

インストールが終了した所で,実際の文書作成を通じて,LaTeX2e における作業の概要を見てみよう。


2.1.1 タイプセット

まずは,適当なフォルダを作成して,そこにテスト用のファイルを作成してみよう。ここでは,「C:¥work」というフォルダを作成し,そこに「test.tex」というファイルをメモ帳で作成します。

「test.tex」には,以下の内容を入力します。
\documentclass{jarticle}
\begin{document}
ただいまテスト中。
\LaTeX
\end{document}
記号「\」は,Windowsでは記号「¥」,また逆に記号「¥」はUnixやMacでは,記号「\」になります。

こうして完成した「test.tex」というファイルがLaTex2eのテキストベースのファイルになります。

次に,これを「LaTex2e」のプログラム「platex」によって変換(コンパイル)します。その手順は,以下のとおりです。
  1. コマンドプロンプトを起動します。
  2. カレントディレクトリを「C:¥work」に変更します。

    cd c:¥work
  3. コマンドラインから以下のコマンドを入力します。

    C:¥work>platex test.tex
  4. コンパイルが開始され,エラーがなければ,最後に以下のようなメッセージが表示されます。

    Output written on test.dvi (.........)
    Transcript written on test.log
以上で,変換が終了しました。この結果,「C:¥work」フォルダには,以下のようなファイルが作成されます。
  • test.tex
  • test.aux
  • test.dvi
  • test.log
これらのファイルのうち拡張子「aux」と「log」のファイルは作業用ファイルとなり,拡張子「dvi」が変換結果のファイルになります。

このように拡張子「tex」のファイルを「dvi」のファイルに変換する作業を「タイプセット」と呼びます。

次に,この「dvi形式」のファイルを「pdf形式」に変換します。その手順は以下のとおりです。
  1. コマンドラインから以下のコマンドを入力します。

    C:¥work>dvipdfmx test.dvi
  2. 変換が開始されます。
正常に変換できたならば,最後に「PDF形式」のファイルを表示してみましょう。その手順は以下のとおりです。
  1. コマンドラインから以下のコマンドを入力します。

    C:¥work>start test.pdf
  2. PDF形式のファイルが表示されます。
さて,これまではすべてコマンドプロンプトから作業しましたが,「TeXworks」を使えば,この一連の作業を簡単に行うことができます。すなわち,「TeXworks」でテキストベースのLaTeX2eのファイル(以下,texファイルと呼びます。)を作成し,画面左上の矢印アイコンをクリックすることにより,dvi形式のファイルへの変換,さらにdvi形式からpdf形式への変換を自動的に行うことができます。

一般的には,「TeXworks」のような統合環境を使って文書作成を行うことが多く,これらのソフトウェアでは,texファイルからpdfファイルの作成までを「タイプセット」と呼びます。

以上のことをまとめると,文書作成の流れは以下のようになります。
  texファイルの作成
    ↓
  タイプセット
    ↓
  PDFファイルの作成

今回は,LaTeX2eでの文書作成の流れについて説明しましたが,次回は,少しtexファイルの中身について説明したいと思います。

2010年9月7日火曜日

ホームページを作ろう-1.1 お決まりの入門(言葉編)

はじめに

文書ライブラリ第2講では,「ホームページを作ろう」と題して,ホームページ作成の基礎について説明したいと思います。

「ホームページを作ろう」では,拙著「ホームページの基礎」PDF版(http://hitp.konjiki.jp/pdf/pBookHP1.pdf)をテキストとして使用します(このPDFは,テキスト先頭から50ページまでの部分です)。ただし,内容が少し古くなっていたり,元々講義用のテキストであるため言葉足らずの部分もあります。

そこで文書ライブラリ第2講「ホームページを作ろう」では,古くなっている部分や説明不足の部分を補う形で説明を進めていきたいと思います。

第1章 HTMLの基本

1.1 お決まりの入門(言葉編)

PDF本の「1.1 お決まりの入門(言葉編)」をまずは読んで頂ければ幸いです。
その内容はいくつかの単語の説明ですが,ここではその中でも「HTML」と「XHTML」という2つの単語について,もう少し詳しく説明したいと思います。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
HTML(エイチティーエムエル,HyperText Markup Language)とはウェブ上のドキュメントを記述するためのマークアップ言語である。
ウェブの基幹的役割を持つ技術の一つでHTMLでマークアップされたドキュメントはほかのドキュメントへのハイパーリンクを設定できるハイパーテキストであり,画像・リスト・表などの高度な表現力を持つ。
W3Cは,XMLベースの規格であるXHTMLの勧告も行っている。また2009年10月現在,HTML 5も策定中である。
HTMLの歴史は古く「HTML 1.0」と呼ばれるものが1993年に発表されています。そして1997年には「HTML 3.2」がW3Cで仕様が勧告されました。
W3Cとは,World Wide Web Consortium(ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム)の略称で,World Wide Webで使用される各種技術の標準化を推進する為に設立された標準化団体,非営利団体。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
その後,1997年にW3C勧告としてHTML 4.0,1999年には,HTML 4.0の仕様に若干の修正が加えられたHTML 4.01が勧告されました(現在,HTML5が話題に取り上げられていますが,2010年9月1日現在勧告には至っていません)。
HTMLは,SGMLと呼ばれるメタ言語によって定義されたマークアップ言語と呼ばれるものに分類されます。
SGML (Standard Generalized Markup Language,文書記述言語SGML) は,マークアップ言語を定義するためのメタ言語の一つである。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
このSGMLが開発された頃の時代には,現在のようなインターネット社会はまだ出現しておらず,当然ながら,インターネットを考慮した仕様にはなっていませんでした。
そのため,インターネットを考慮した新しいメタ言語が必要となりました。そこで開発されたものが「XML」です。
Extensible Markup Language) は,個別の目的に応じたマークアップ言語作成のため,汎用的に使うことができる仕様,および仕様により策定される言語の名称である。一般的にXML(エックスエムエル)と略称で呼ばれる。JISによる訳語は「拡張可能なマーク付け言語」。
XML の仕様は,World Wide Web Consortium (W3C) により策定・勧告されている。1998年2月に XML 1.0 が勧告された。2010年4月現在,XML 1.0 と XML 1.1 の2つのバージョンが勧告されている。XMLは現在,広く普及している技術である。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
XHTML (エックスエイチティーエムエル, Extensible HyperText Markup Language)は,SGMLで定義されていたHTMLをXMLの文法で定義しなおしたマークアップ言語である。その仕様はHTMLと同じくW3Cによって勧告されている。
XMLを採用したため,MathMLやSVGなど他のXML文書を埋め込むことができるようになった。
XHTMLにもいろいろなバージョンが存在しますが,本講で「XHTML」と呼ぶ場合,「XHTML 1.0」を意味します。この「XHTML 1.0」は,HTML 4.01をXMLで再定義したものです。2000年にW3Cの勧告となり,2002年に改訂版が勧告されています。

というわけで,HTMLとXHTMLという2つの単語を長々と説明してきましたが,要するに「XHTML 1.0」を学習すれば,それは同時に「HTML 4.01」を学習することになります。また,将来導入されるであろう「HTML5」も,その基本部分は「XHTML 1.0」や「HTML 4.01」と同じようなものです。
また,最近流行の「電子書籍」に使用される「ePub」という書式も,その原型は「XHTML 1.1」になっています。

今回は,言葉ばかりでつまらない内容になってしまいましたが,次回は,実際に簡単なホームページを作ってみることにしましょう。

2010年9月6日月曜日

文書ライブラリのWeb版を公開しました。

文書ライブラリのWeb版を公開しました。

LaTeX2e入門教室の「1.導入」部分の文書をWeb版として公開しました。
 URL: http://hitp.konjiki.jp/

LaTeX2e入門教室-1.導入-1.3.8 動作確認

1.3.8 動作確認
最後に動作確認を行います。もし,うまくいかなければ,パスの設定や各種設定ファイルに誤りがないかどうか確認してください。あるいは,インストールしたプログラムをすべて削除して,もう一度インストールを試みてください。

  1. 「C¥pTeX¥share¥texworks」フォルダ内のプログラム「TeXworks.exe」を起動します。「TeXworks」は,TeXファイルの作成からPDFの作成までを一連の操作でできる統合環境です。このプログラムへのショートカットをデスクトップに作成しておくと後々便利です。

  2. 以下のテスト文書を入力します。なお,記号「\」は、Windowsでは,記号「¥」になります。

    ¥documentclass[a4,10pt]{jsarticle}
    ¥title{テスト文章}
    ¥author{HITP 広島工業大学専門学校}
    ¥begin{document}
    ¥maketitle
    ¥section{最初の章}
    テスト文章です。
    ¥section{2番目の章}
    LaTeX で作成しました。
    ¥end{document}
  3. TeXworksの左上が「pdfpLaTeX」になっていることを確認して,その左側の丸い緑の矢印アイコン「」をクリックします。

  4. このときファイルを保存していなければ,「ファイル保存ダイアログ」が表示されるので,適当なファイル名(ファイル名は英数字のみを使用するようにし,漢字を使用しないようにします。)を付けて保存します。
  5. 正常に動作すれば,以下のようなPDFファイルが表示されます。

さあ,LaTeXの導入はうまくいきましたか?もし,うまくいかなければ,「LaTeX2e美文書作成入門」の著者である奥村先生のサイト(http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/texwiki/)を参照してください。インストール方法が詳しく述べられています。
次回からは,実際にLaTeX2eを使った文書作成について説明していきます。