2010年9月6日月曜日

LaTeX2e入門教室-1.導入-1.3.7 フォントの設定

1.3.7 フォントの設定
ここまでの手順で必要なソフトウェアのインストールは終了しました。しかし,このままではWindowsの和文フォントを利用することができません。そこで,フォントの設定ファイルを修正します。修正には,メモ帳などのエディタを使用します。

  1. 最初に適当なエディタ(メモ帳など)を起動します。
  2. 「C¥pTeX¥share¥texmf¥fonts¥map¥dvipdfmx¥base」フォルダ中のファイル「cid-x.map」を開きます。
  3. 105行目あたりから次の部分を探します。


    %
    % Ryumin and GothicBBB found in PostScript printers:
    %
    rml H Ryumin-Light
    gbm H GothicBBB-Medium
    rmlv V Ryumin-Light
    gbmv V GothicBBB-Medium

  4. rmlからgbmvで始まる行の先頭に「%」を追加します。


    %
    % Ryumin and GothicBBB found in PostScript printers:
    %
    %rml H Ryumin-Light
    %gbm H GothicBBB-Medium
    %rmlv V Ryumin-Light
    %gbmv V GothicBBB-Medium

  5. 次に,以下の4行を追加します。


    %
    % Ryumin and GothicBBB found in PostScript printers:
    %
    %rml H Ryumin-Light
    %gbm H GothicBBB-Medium
    %rmlv V Ryumin-Light
    %gbmv V GothicBBB-Medium

    rml H :0:msmincho.ttc
    gbm H :0:msgothic.ttc
    rmlv V :0:msmincho.ttc
    gbmv V :0:msgothic.ttc


  6. 173行目あたりの次の部分を探します。


    %
    % utf package (embed msmincho and msgothic) (S. Saito)
    %
    %unijmin-h UniJIS-UTF16-H msmincho.ttc
    %unijmin-v UniJIS-UTF16-V msmincho.ttc
    %unijgoth-h UniJIS-UTF16-H msgothic.ttc
    %unijgoth-v UniJIS-UTF16-V msgothic.ttc

    %cidmin-h Identity-H msmincho.ttc/AJ1
    %cidmin-v Identity-V msmincho.ttc/AJ1
    %cidgoth-h Identity-H msgothic.ttc/AJ1
    %cidgoth-v Identity-V msgothic.ttc/AJ1

    %hmr H msmincho.ttc
    %hmrv V msmincho.ttc
    %hkb H msgothic.ttc
    %hkbv V msgothic.ttc

    %
    % utf package (no embedding) (S. Saito)
    %
    unijmin-h UniJIS-UTF16-H Ryumin-Light
    unijmin-v UniJIS-UTF16-V Ryumin-Light
    unijgoth-h UniJIS-UTF16-H GothicBBB-Medium
    unijgoth-v UniJIS-UTF16-V GothicBBB-Medium

    cidmin-h Identity-H Ryumin-Light
    cidmin-v Identity-V Ryumin-Light
    cidgoth-h Identity-H GothicBBB-Medium
    cidgoth-v Identity-V GothicBBB-Medium

    hmr H Ryumin-Light
    hmrv V Ryumin-Light
    hkb H GothicBBB-Medium
    hkbv V GothicBBB-Medium

  7. 「utf package (embed msmincho and msgothic) (S. Saito)」で設定されている部分の先頭の「%」を削除します。


    % utf package (embed msmincho and msgothic)  (S. Saito)
    %
    unijmin-h UniJIS-UTF16-H msmincho.ttc
    unijmin-v UniJIS-UTF16-V msmincho.ttc
    unijgoth-h UniJIS-UTF16-H msgothic.ttc
    unijgoth-v UniJIS-UTF16-V msgothic.ttc

    cidmin-h Identity-H msmincho.ttc/AJ1
    cidmin-v Identity-V msmincho.ttc/AJ1
    cidgoth-h Identity-H msgothic.ttc/AJ1
    cidgoth-v Identity-V msgothic.ttc/AJ1

    hmr H msmincho.ttc
    hmrv V msmincho.ttc
    hkb H msgothic.ttc
    hkbv V msgothic.ttc


  8. 「utf package (no embedding) (S. Saito)」で設定されている部分の先頭に「%」を追加します。


    % utf package (no embedding)  (S. Saito)
    %
    %unijmin-h UniJIS-UTF16-H Ryumin-Light
    %unijmin-v UniJIS-UTF16-V Ryumin-Light
    %unijgoth-h UniJIS-UTF16-H GothicBBB-Medium
    %unijgoth-v UniJIS-UTF16-V GothicBBB-Medium

    %cidmin-h Identity-H Ryumin-Light
    %cidmin-v Identity-V Ryumin-Light
    %cidgoth-h Identity-H GothicBBB-Medium
    %cidgoth-v Identity-V GothicBBB-Medium

    %hmr H Ryumin-Light
    %hmrv V Ryumin-Light
    %hkb H GothicBBB-Medium
    %hkbv V GothicBBB-Medium

  9. ファイルの最後に以下の4行を追加します。


    hminr-h      H                  msmincho.ttc
    hminr-v V msmincho.ttc
    hgothr-h H msgothic.ttc
    hgothr-v V msgothic.ttc


  10. 最後にファイルを上書き保存して,エディタを終了します。

次回は,インストールしたソフトウェアの動作確認を行います。

2010年9月5日日曜日

LaTeX2e入門教室-1.導入-1.3.6 GSviewのインストール

1.3.6 GSviewのインストール
最後にPostscriptをPDF変換するためのGSviewをインストールします。

  1. 「HITPtemp」フォルダ内に「install」フォルダがあります。その中のインストールプログラム「gsv49w32.exe」を起動します。
  2. セットアップ開始ダイアログが表示されるので,「Setup」ボタンをクリックします。
  3. 言語選択ダイアログが表示されるので,「English」ボタンをクリックします。
  4. インストール開始ダイアログが表示されるので,「Next」ボタンをクリックします。
  5. ライセンス確認ダイアログが表示されるので,「Next」ボタンをクリックします。
  6. インストールダイアログが表示されるので,最初の項目にチェックを入れて「Next」ボタンをクリックします。
  7. インストール先指定ダイアログが表示されるので,そのまま「Next」ボタンをクリックします。
  8. インストール先確認ダイアログが表示されるので,そのまま「Next」ボタンをクリックします。
  9. スタートメニュー設定ダイアログが表示されるので,そのまま「Finish」ボタンをクリックします。
  10. インストールが開始され,しばらくするとインストール完了ダイアログが表示されるので,最後に「Exit」ボタンをクリックします。
  11. インストール先フォルダが表示されるので,その中のプログラム「GSview 4.9」を起動します。
  12. レジストレーションダイアログが表示されるので,「Ok」ボタンをクリックします。
  13. プログラムが起動したならば,メニューバー「Options」ー「Advanced Configure...」を選択します。
  14. 設定ダイアログが表示されるので,「Ghostscript Options:」の最後に「-dWINKANJI」を追加してから「Ok」ボタンをクリックします。
  15. 最後にプログラムを終了します。

以上で「GSview」のインストールが終了しました。これで必要なソフトウェアのインストールがすべて終了したことになります。

次回は,インストール後の初期設定について説明します。

2010年9月4日土曜日

LaTeX2e入門教室 - 1.導入 - 1.3.5 dviout for Windows のインストール

1.3.5 dviout for Windows のインストール
Windows環境で動作するTeX プレビューアをインストールします。

  1. 「HITPtemp」フォルダ内に「install」フォルダがあります。その中のインストールプログラム「tex318w.exe」を起動します。

  2. インストール先フォルダ指定ダイアログが表示されます。ここでは,インストール先フォルダを変更しないで,そのまま「Ok」ボタンをクリックします。

  3. 警告ダイアログが表示されますが,ここでは「はい」ボタンをクリックします。

  4. パラメータ設定ダイアログが表示されるので,プリンタに合わせた値を設定します。もし,プリンタが接続されていなかったり,よく分からなければ,「Resolution of font(dpi:)」に「600」,「Different dpi for printing」をチェックし,「1200」を設定します。「Paper size」は「A4」のままで良いと思います。設定が終了したならば,「Next」ボタンをクリックします。

  5. 次の環境設定ダイアログが表示されるので,「Guess」ボタンをクリックします。

  6. 環境設定確認ダイアログが表示されるので,「はい」ボタンをクリックします。

  7. 環境設定ダイアログの「TEXROOT」と「TEXPK」の項目が自動で設定されたならば,「Next」ボタンをクリックします。

  8. 次の環境設定ダイアログが表示されるので,「gen」ボタンをクリックします。

  9. 自動設定確認ダイアログが表示されるので,「はい」ボタンをクリックします。

  10. 環境設定ダイアログの「gen」の項目が設定されるので,次に「gsxt」ボタンをクリックします。

  11. 先程と同様に自動設定確認ダイアログが表示されるので,「はい」ボタンをクリックします。

  12. 環境設定ダイアログの「gsx」の項目が設定されるので,最後に「Finish」ボタンをクリックします。

  13. これまでと同様に環境変数の設定を行います。「マイコンピュータ」を右クリックし,ポップアップメニューから「プロパティ」を選択します。
  14. 「システムのプロパティ」ウィンドウが表示されたならば,「詳細設定」タブを選択後,「環境変数」のボタンをクリックします。
  15. 環境変数「PATH」を選択後,「編集」ボタンをクリックします。
  16. 変数値に「C:¥dviout;」を追加します。正確に入力できたならば,最後に「OK」ボタンをクリックします。
  17. 環境変数ダイアログに戻るので,「OK」ボタンをクリックします。
  18. 「システムのプロパティ」ウィンドウに戻るので,「OK」ボタンをクリックします。
以上で,「dviout for Windows」のインストールが終了します。次回は,最後のソフトウェア「GSview」のインストール手順を説明します。

LaTeX2e入門教室-1.導入-1.3.4 Ghostscriptのインストール

1.3.4 Ghostscript のインストール
「pTeX」のインストールが終了したならば,次にPostScript のインタープリタであるGhostscriptのインストールを行います。
  1. 「HITPtemp」フォルダ内に「install」フォルダがあります。その中の「gs707w32full」フォルダ内のインストールプログラム「setupgs.exe」を起動します。
  2. 最初のセットアップダイアログが表示されます。ここでは,インストール先フォルダを訪ねてきますが,初期設定のまま(インストール先フォルダを変更しないように注意してください。)「Install」ボタンをクリックします。
  3. インストールが開始されます。しばらくするとインストールが終了し,つぎのようなウィンドウが表示されますので,そのウィンドウを閉じます
  4. 次に環境変数の設定を行うために,「マイコンピュータ」を右クリックし,ポップアップメニューから「プロパティ」を選択します。
  5. 「システムのプロパティ」ウィンドウが表示されたならば,「詳細設定」タブを選択後,「環境変数」のボタンをクリックします。
  6. 環境変数「PATH」を選択後,「編集」ボタンをクリックします。
  7. 変数値に「C:¥gs¥gs7.07¥bin;C:¥gs¥gs7.07¥lib;」を追加します。正確に入力できたならば,最後に「OK」ボタンをクリックします。
  8. 環境変数ダイアログに戻るので,「OK」ボタンをクリックします。
  9. 「システムのプロパティ」ウィンドウに戻るので,「OK」ボタンをクリックします。

以上で「Ghostscript」のインストールは完了です。次回は、「dviout for Windows」のインストールについて説明します。

2010年9月3日金曜日

LaTeX入門教室 - 1.導入 - 1.3.3 pTeX のインストール

1.3.3 pTeX のインストール

LaTeX2e を使って文書作成を行うようにしたい訳ですが,実際には,いくつかのソフトウェアをインストールしなければなりません。ここでは,LaTeX2e 本体(角藤版[http://w32tex.org/index-ja.html]と呼ばれているものの標準インストールにOTFパッケージ,UTFパッケージ,内部Unicode版pTeXを付加したものになっています。)のインストールを以下の手順に従って行います。
  1. Windowsの「コマンドプロンプト」を起動します。

  2. カレントディレクトリを「c:¥pTeX」に変更します。

    C:¥Documents and Setting¥user>cd c:¥pTeX

  3. インストールプログラムを起動します。

    C:¥pTeX>texinst2010 c:¥HITPtemp¥tar


  4. インストールが開始され,しばらくすると下のような画面が表示されてインストールが終了します。

  5. 次に環境変数の設定を行うために,「マイコンピュータ」を右クリックし,ポップアップメニューから「プロパティ」を選択します。
  6. 「システムのプロパティ」ウィンドウが表示されたならば,「詳細設定」タブを選択後,「環境変数」のボタンをクリックします。

  7. 環境変数「PATH」が存在しなければ,「ユーザ環境変数」の「新規」ボタンをクリックします。もし,環境変数「PATH」が存在する場合は,環境変数「PATH」を選択後,「編集」ボタンをクリックします。

  8. 新規の場合は,変数名に「PATH」を入力し,変数値に「C:¥pTeX¥bin;」を入力します。環境変数「PATH」が存在する場合は,変数値に「C:¥pTeX¥bin;」を追加します。正確に入力できたならば,最後に「OK」ボタンをクリックします。

  9. 環境変数ダイアログに戻るので,「OK」ボタンをクリックします。
  10. 「システムのプロパティ」ウィンドウに戻るので,「OK」ボタンをクリックします。

以上で,「pTeX」のインストールが終了します。最後に「コマンドプロンプト」を終了してください。


次回は、「Ghostscript」をインストールする手順を説明します。

2010年9月2日木曜日

LaTeX2e 入門教室-1 導入:1.3 LaTeX2eのインストール

1.3 LaTeX2eのインストール
「LaTeX2e で何ができるのか?」,実際の所は,理解しがたい部分でしょう。そこで,まずはソフトウェアをインストールして,実際に使いながら学習する,ということになります。

LaTeX2e のインストールは結構ハードルが高いので注意が必要です。Windows へのインストールは,以下の手順に従って行います(Mac へのインストールは,Windows よりも簡単です。インターネットなどにも多くの資料がありますので,そちらを参考にしてください。)。



1.3.1 インストールパッケージのダウンロード
インストールに関する詳細な情報は,「LaTeX2e 美文書作成入門」の著者である奥村先生のサイトにあります。ここでは,その情報をもとにして,HITP 用にアレンジしたパッケージを使用します。

HITP 用にアレンジしたパッケージ(http://www.hitp.ac.jp/download/pTeX.zip)を,まずはダウンロードします。

1.3.2 インストールパッケージの解凍とディレクトリ配置
  1. ダウンロードした「pTeX.zip」をLhacaなどのツールを使って解凍します。


  2. 解凍されたフォルダの中に,「HITPtemp」と「pTeX」2つのフォルダがあることを確認してください。


  3. 「HITPtemp」と「pTeX」2つのフォルダを「C:¥」直下に配置します。必ず,この位置に配置してください。それ以外の場所に配置するとインストールに失敗することがあります。


インストールでは,いくつかのソフトウェアをインストールする必要があります。次回は,最初のソフトウェア「pTeX」のインストールについて説明します。

HITP 広島工業大学専門学校 ライブラリ

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